2018年01月08日

バーニング・オーシャンのドルビーアトモスは最高なのか?

 家庭用ドルビーアトモスも登場から3年経過したところですが、先日のアンケートの結果から、ハードルが高いはずのトップスピーカーを設置して再生環境を構築している人の割合は着実に増えていました。

そもそも家庭用のドルビーアトモスの仕組みと、オブジェクトとは何か・・
最近これらに触れた記事をどこかで見ましたか?

前に書いた記事を参考に見てください。
アトモス再生のキモ。その2
イマーシブ・オーディオ? その3」 

上の記事を踏まえて、僕が感じるところのドルビーアトモスソフトには2種類あります。

1つ目は、トップ(ハイト)スピーカーに、単に高さ表現のための音を振っただけの様なもの。
これなら単なるチャンネルベースの11.1chと同じ様で、その音をオブジェクトと言えるのかは疑問。

2つ目、Z軸方向の任意な空間にも音(オブジェクト)を定位させるという本来の形。
空間表現の密度が違って来るはず。

前置きが長くなりましたけれども、ドルビーアトモスの評判が良さそうな「バーニング・オーシャン」を視聴した感想です。

180108-5.jpg結論から書きますと、「2つ目」の方でした。
評判通りで、ドルビーアトモスの代表的作品に挙げても良いと思います。

こういう映画こそ、アトモスの表現力を使わずしてどうすると。

油田掘削施設の爆発事故の大火災と、崩壊する構造物の圧力。それらが空間の密度と高さ表現により、見事にはまっています。

180108-4.jpg・・7.1chとの違いはどうか。
所有のAVアンプAVR-X7200WAで、ドルビーアトモスを再生しながらTrueHDの7.1chに切り替えてみますと7.1chでも十分不足が無いように感じます。

しかし、アトモスに戻しますと、空気感はさらに上に広がり、よりシーンの緊迫感を増すのです。

実は今回、久しぶりにアトモスと向き合う中で、前からの方、前の上からの音が来ない、物足りないと感じまして、スピーカーレベルを見直しました。

180108-2.jpg方法は、ドルビーのデモディスクに入っているテストトーンを使いました。

しかし持っていない人が多いと思いますので、以下の方法で入手してみてください。

まず、ドルビーの米国HPのこちらのページを開きます。

180108-1.jpgこれはページをGoogle Chromeで和訳してあります。

ステップ1で該当するスピーカー配置のテストトーンをダウンロードし、USBメモリに移してAVアンプで再生して、スピーカーレベルを調整します。

ちなみに、デモの「リーフトレーラー」と「アミューズトレーラー」もあります。

180108-3.jpgデノンのAVアンプで「Dynamic EQ」(参考記事)を使用しますとなぜか、前方3チャンネルの音量レベルが低く設定されていました。

これをスマホの騒音計を使って補正し、トップフロントスピーカーについては、やや上げ気味にしてみました。

これがアトモスの再生には、前述した通りの物足りなさを感じる要因※のようでした。
デノン以外のAVアンプでも、チャンネルレベルに何らかの脚色が加えられているかも知れません。
アトモス用のテストトーンでのチェックは一度試してみて良いかと思います。

それにしても、家庭用のドルビーアトモスは3年を経過したにも関わらず、チェック用のソフトが出てこないのは(出ていませんよね?)どうしてなのか。首をかしげてしまいます。



※ スピーカー配置の問題もあります。フロント3本に対して、サラウンドやサラウンドバックが視聴位置に近い傾向があまり良くないと思っています。


長らく右コラムのスピーカー配置図を更新していませんでした。
更新すると共に、「トップスピーカーの配置について」から、過去の関連記事にリンクしました。


バーニング・オーシャン [Blu-ray]

 

posted by shu at 13:02 | Comment(0) | ドルビーアトモス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月30日

ドルビーアトモス ホーム2周年。

BDソフト「ネイチャー」で家庭用のドルビーアトモスが国内でスタートしてから、丸2年が経とうとしています。
141109-1.jpg自身も天井スピーカーを2本の7.2.2ch環境でスタートし、5.2.4chを経て7.2.4chまで実践して来ました。

この2年間の印象なのですが、当初はもっとソフトが進化するはずだと思っていました。・・伸びしろがあるはずだと。
しかしソフト自体の出来は変わっていないように思います。

むしろその伸びしろの一部は、ユーザー自身に求められることに気づきました。
つまり、正しい基本セッティングを詰めることです。
至極当然なことのようですが、ドルビーアトモス(オブジェクトベースサラウンド)ではこのことが重要でした。

従来の5.1や7.1chの延長で、大まかな妥協型セッティングに天井スピーカーを足しただけでは、本来の音で聴けない可能性が高いです。

あらためてそのポイントを挙げておきます。

・スピーカー配置
ITU-Rや取説にある推奨配置を守ることです。フロントの60°は案外効きます。

・音量バランス
160221-4.jpgフロアスピーカーの前後の音量、それと天井スピーカー前後の音量、このセンターが視聴位置と合致するようにします。
この図は理想図で、視聴位置は部屋の真ん中近くにあります。

これらを押さえた上で、家庭用ドルビーアトモス2年間の体感評価はどうか?
苦労して天井スピーカーを取付けた、そのご利益はどれほどのものか。

個人的には、従来型の9.1ch(7.1プラスフロントハイト)や11.1ch(プラスフロントワイド)との比較で、2割増し程度だと思っています。

2割増しの満足度は人それぞれでしょう。現に当初から満足している人はいました。(過去の自前アンケートより)
しかし当初の売り文句では、6割増しくらいの期待を持たされましたから、個人的な評価は低い方です。

ただ単に「上から音がすること」を喜ぶならば、それで良いのでしょうけど、「オブジェクトベースサラウンド」とは本来そんな単純なものでは無かったはずでは?という思いがあります。

160610-2.jpg例えば、フロアスピーカーの2本または3本と、天井スピーカーの1本または2本を利用して、任意な空間にファントムを生成するというのがその理屈なはず。

しかし、最近では「イマーシブ・オーディオ」にその呼称をすり替え、オブジェクトという視点を外して誤魔化されたために、オブジェクトの有り無し云々を言うのは僕くらいでしょう。

正直、Z方向に音を足しただけにしか聴こえない内容のソフトが大半ではないかと思っています。
ドルビーアトモス ホームとは、結局こんなもの・・なのでしょうか。・・2年経っても。
・・いや案外こんなもので、これで満足すべきかも知れません。

これまで聴いた、わかりやすく移動するオブジェクトの例は・・

151122-7.jpg「ネイチャー」の波と滝の水しぶき。

「ONKYO&PIONEERのデモディスク」のハエが飛び回る音。

「パラマウント」オープニングトレーラーの星が飛んで行く音。

どれも単純な単一音源のみ?

映画の複雑な音響デザインでは、他の音に紛れてわかりにくくなってしまうのか。
それをわかった上だから作り込んでいないのか。

あえてこれらを強調するような画作り・・3Dのはしり「飛び出す映画」の様に、槍をわざと観客に突き出す不自然な演出の作品もなかなか無いだろうし。
故ロビン・ウィリアムズ主演の「フラバー」のような作品ならどうなるか、観てみたい気もします。

個人的には、今後も過度の期待は持たない方が良いと思うことにしています。
何か技術的フィーチャーの追加がない限りは。

一方で、「Dolby Surround」や「Neural:X」といった2つの汎用拡張サラウンドが手に入るという点で天井スピーカーを付ける価値があるというのが救いです。

DTS:Xについては、その名前のみが先行した割にソフトが無さ過ぎ。
ハードも含めてやっと漕ぎ出したかなという程度なのですから、後日また記事をあらためます。


「海」のシーンの波と「滝つぼ」のシーンは地味ですが、アトモスの見本の1つです。
ネイチャー【Blu-ray】 [ パトリック・モリス ]

 

posted by shu at 14:51 | Comment(8) | TrackBack(0) | ドルビーアトモス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月14日

ソフトの出来次第?

「ああ、やっぱりだ」

先日、某家電量販店でドルビーアトモスのデモディスクを初めて聴いた時の感想です。

それはONKYOの展示でイネーブルドスピーカーを使ったアトモスのデモ。
・・と言っても、全てのスピーカーが前の棚に置いてあるという、まあ、そういう配置でしたが。

しかし、あのドルビーのデモソフトがかかっているからには、最低限確認できる点があれば収穫な訳です。

それは、イネーブルドスピーカー、すなわち天井スピーカーはどの程度鳴っているのか?
音量ではなく、時間的なものです。

鳴っていましたね。ほぼ始終。

これが冒頭のセリフの意味です。

やはり、ここが現在市販の映画ソフトの多くと違うところでしたね。

つまり、天井スピーカーがそもそも鳴っていないか、その時間が少ないから情報量が足りない。
それが音響効果が薄いということにつながっていると見ています。

だから、どうにも従来型チャンネルベースの5.1との圧倒的な違いを感じ難かった。
これなら単に、天井への雰囲気を追加しただけのエクステンデットサラウンドではないかと、そういう印象でした・・最近まではですね。

しかし、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を見ると、冒頭から様子が違うのがわかりました。

151101-3.jpgマックスと愛車インターセプターのバックショット・・
上方も含めた色々な方向から聴こえるセリフの定位の遠近感、この雰囲気が違います。

そして、インターセプターのボンネットから突き出した、スーパーチャージャーを見上げるショットからのエンジン始動音は、上から大音量で来るのです。

このシーンで天井スピーカーからは、女の子の「どこにいたの」がトップバックから、そしてエンジン音はトップフロントから、それも全開で。

このエンジン音が、ベースの5.1chの補強として鳴っているのではなく、独立音源として鳴っています。
ベースの5.1chの方に補助的な音が入っています。
この点は、これまでのソフトではあまり聴けなかった造りでしたね。

この映画、全編に渡って音圧が凄いのです。特に上からの圧力を感じますから、単純に天井スピーカーの稼働率が高いです。
イモータン・ジョーの演説は言うに及ばず、ウォータンクの車内の会話までも何故か天井にまわっています。

やはり、ソフトの造り。これ次第なのでしょう。


一方でドルビーのデモディスク、この1年を経過しても未だに門外不出とはどういう事でしょう?
それ以外のデモソフトの存在がある訳でもなし。

AVアンプのオートセットアップは完全ではなく、ある程度のマニュアル調整が必要な部分はあります。
(しかし大多数の人には十分なのですよ)
そのためのリファレンスソフトが欲しいのです。
それを元にキャリブレーションする必要があります。

某O&P社が作ったチェックディスクは、最適なアプローチアイテム足りえるのですが、こちらも例外なく門外不出なのだそうです。
限られたデモや、インストールの現場でしか使われないメーカー秘蔵の代物。
まず、一般ユーザーがこれを個人的に使えることは無いようです。

個々の家庭の諸条件の下で、ドルビーアトモスが果たして正確に再生できているのか・・。

ここが問題なのに、検証する術がないというのは何とも歯がゆい。
そういう人は、僕くらいなんですかね。

何か方法は無いか・・


つづきはまた、いずれ。



LFEは圧倒的かつ、最強レベルです。
思わずビビって、ボリュウムを下げるくらいです。↓

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posted by shu at 13:17 | Comment(2) | TrackBack(0) | ドルビーアトモス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月01日

ファーストコンタクトから1年。

しばらくでした。
更新頻度を下げると言ったのに、皆さんあきらめが悪いです。

今月の8日で、ドルビーアトモス ホームとのファーストコンタクトから、丸1年が経とうとしています。
この記事のサブタイトルとしては、ドルビーアトモス ホーム私見 '15-11と言ったところです。

しかしこの話題、しばらく止めるつもりでいました。

何で?

DTS:Xが始まったらお祭りに紛れてフェードアウト、しばらくお休みをするには良い機会だと思ったからです。

が、しかしそのDTS:X、どうやら年内スタートが怪しい?
お陰で陳腐な型落ちになるはずの、SC-LX78の賞味期限が伸びそうな感じ。

そういう訳で、最近ちょうど思うところもあり、ここで記事投下しておくことにします。


・天井スピーカーのレベル調整。

天井スピーカーの役割とは何か。天井スピーカー4本以外をミュートしてその音を聴いてみるというのを試してみました。
141214-1.jpg「トランスフォーマー/ロストエイジ」では確かに頭の上をヘリコプターが横切って行きます。
しかし、全てのスピーカーから音を出すと下の音に紛れてその軌跡が不明瞭になるのです。

あるいはレベル(音量)設定が低いのか?という疑念から、レベルの再調整をしてみることにしたのです。

151101-1.jpgレベル調整は「ゼロ・グラビティ」の1シーンから。
チャプター4、命綱を外そうとするG.クルーニー。
S.ブロックのセリフは、トップリアの左から出てきます。
人の声というのはレベルが合わせやすいのです。
どうも1db程度上げた方が自然に思え、これを元にトップリアを1db、トップフロントを0.5db上げてみました。

結果、「ロストエイジ」のヘリの軌跡は改善されたのか?
やらないよりはマシと言ったところです。

「ロストエイジ」のアトモス音声は、ベースの5chの補強として天井を鳴らしている印象があります。
つまり高さ方向の音も元の5chに入っているので、ダブって紛れてしまう印象があります。


・アメリカン・スナイパー。

151101-2.jpg上記のレベル調整のあとで、しばらくぶりに見たのが冒頭のシーン。
戦車を見上げるように撮られています。

「お、キャタピラーの音が上から聴こえる」
「天井から出ているのか」

しかしセリフが・・日本語・・「あ、しまった」

何を言いたいか分かりますか?

吹き替え音声はアトモスでは無いのです。5.1chです。
と言うことは、5.1chでも高さ表現は十分に感じられるのです。

それと5.1chの方が横の広がりあって、SEの定位と左右への移動感にリアルな感じがありました。
5.1chユーザーの方々、ドルビーアトモスが最強という訳でもありません


今日はここまで。


次回予告

・「マッドマックス 怒りのデス・ロード」は一味違う。
・未だに出ないデモソフトに、門外不出のチェックディスクとはこれ如何に。


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posted by shu at 18:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ドルビーアトモス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月12日

皆さんのドルビーアトモス。

アンケートにご協力、誠にありがとうございます。

この記事を書いている時点で104名の方に回答いただきました。
当ブログのキャパから言ってその数も頭打ちと思いますし、おおよそ傾向も分かって来ました。
このあたりで、まとめをしておきたいと思います。

まず僕が、このアンケートで知りたかった事は、「映画館のドルビーアトモス」と「家庭用のドルビーアトモス ホーム」に違いがあるのか無いのか?ということでした。
それを皆さんの感想から知りたかったのです。

さて、結果はどうだったでしょうか。

まずはドルビーアトモス自体の体験についてお聞きしました。

150712-1.jpg

この結果を別の見方で整理しますと、回答104人中・・

映画館以外での(すなわちドルビーアトモス ホーム)体験者が46人。
映画館のみでの体験者が8人。
両方の体験者が23人。
いずれも未体験者は27人。 

この内、前回の昨年9月のアンケートでは、自宅ホームシアターの実践者(あるいは導入確定者)は6.9パーセントであったのに対し、現在の実践者は22パーセントと確実に増えた状況となっているようです。
ただし意識の高いAVファンの回答なので、世間ではもっと低いでしょう。

今のところ、映画館でドルビーアトモスを体験した人の割合は、約30パーセントという結果になっています。

次に、その映画館で体験したドルビーアトモスの感想をお聞きしました。

150712-2.jpg


では映画館以外で体験したドルビーアトモス ホームの感想はどうだったのしょうか。

150712-3.jpg

アンケートの出だしでは「映画館」の方にハイ上がり(とても良いが多かった)傾向が見えたものの、結果として「ホーム」と似通った結果となっています。

違いは「ホーム」の「とても良い」が少ないことですが、その分「良い」が突出していることから、映画館には及ばないと読む事も出来ますがどうでしょう。
おそらく映画館の方が印象は良いと思われるのですが、僕自身が体験するまでこの事に言及出来ません。

また、映画館であれば上映作品による差と設備の違い、ホームならば使用機器や環境の違い、ソフトの違いや体験者の経験など、細かい部分について変動要因があるわけですが、その辺りの追求はもう僕個人の仕事ではありませんからね。

いずれにしてもドルビーアトモス ホーム、これは概ね良いと評価されているようです。
大半の方はほぼ満足されることでしょう。

コメントいただいた田舎の健太さんをはじめ、これから導入してみようと思っている方々のご健闘をお祈りしております。

なお、アンケートはデフォルトで8月3日まで投票出来ますのでそのまま継続しておきます。
現在の結果の方は、ここから見ることが出来ます。

これでドルビーアトモスについての記事はきりです。
個人的なドルビーアトモス体験のファースト・シーズンは終了です。
次に言及するのは映画館を体験してからにします。


次は別のものに目を向けてみようと思います。


 

posted by shu at 11:35 | Comment(13) | TrackBack(0) | ドルビーアトモス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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