2017年02月26日

トップフロントスピーカーの位置再考。 その2

 天井スピーカーのフロント側を、従来の位置よりも前に設置したらどうなるか?というテストです。

 まず、従来の天井スピーカーの配置のおさらいです。

・基本的には、視聴位置の前後に均等配置としたものです。
前後のスピーカーの距離に数値の違いがありますが、施工誤差です。(または施工ミスとも言いますが。笑)
170219-1.jpg

・なぜ45°前後均等にしなかったのか?
トップフロントで言えば、あと140mm前に移動すると45°になりますが、リア側が壁に近くなり過ぎるのを避けた結果です。部屋の角に近づけるのは音に影響して、フロント側との音質の差も出てくるからです。

・台形の配置が気になっていた。
フロアスピーカーと天井スピーカーの位置関係を結んだ台形が、後ろに偏った形状であるのは、バランス的にどうかという疑問です。(これは視聴位置の問題ですが)
170226-1.jpg


 この配置では、前回の記事で書いた「ヘリコプターデモ」の軌跡のように、天井スピーカーの音像はスピーカーの手前(視聴者寄り)に定位します。これは意外と思ったよりも手前でした。
ですから、天井の音場イメージは4本のスピーカーで囲まれた範囲よりも、実際はもっと狭くなる感じなのです。

 以上の事も踏まえて、現状からトップフロントスピーカーのみ300mm前側に※仮設してテストしました。

方法はこうです。
170219-5.jpg 170219-7.jpg

テスト用のスピーカーはヤマハのNS-10MMTという、知る人ぞ知る往年の小型スピーカーですが、このくらいの容量があれば天井スピーカーには十分使えると思います。
工作用のクランプのバーを、既設のアングルに通した状態にして、壁掛け金具との隙間に挟んた状態です。

170219-6.jpgトップスピーカーのマウントがアングルだとこういう実験には使えます。

・・そもそも、このアングルがダメ?

機能性は抜群なのですがね。

見た目?・・そうですか。

お部屋の景観破壊、器物破損の観点から見てアウトなら、どうしようもないですね。

 ともあれ、この状態での効果は、はたして・・・

音像イメージは、やはり前方に遠ざかっています。
ヘリコプターの軌跡がUターンでは無く、旋回に近づきました。
同時に前側の音場が上方にやや広がったように感じます。

オブジェクトの定位感、解像度も上がるようです。
(この手のテストには「ネイチャー」の波のシーンから海中、滝のシーンがわかりやすいです)

 これで、トップフロントスピーカーの移動は効果的だとわかりました。
早速、本格的に移設を考えることにしました。



続きは次回です。



 ※実は300mmの根拠がありました。
「ヘリコプターデモ」の聴きながら、チェアを180°回転させて後ろを向いてみました。
後ろを向くと、頭(耳の位置)が4本のトップスピーカーの中心から、後ろ側にオフセットされた状態になります。(目前のトップリアスピーカーからは遠くなる)それが良い感じだったのです。

この時の頭の位置のオフセットがちょうど300mmでした。
これだけでも前方に離せば効果はあると。


NS-10MMTと同等品はこのあたりでしょうか。↓
NS-B210 [MB:ブラウンバーチ]YAMAHA(ヤマハ) 単品スピーカー

 

2017年02月18日

トップフロントスピーカーの位置再考。 その1

 天井(トップ)スピーカーを2本、トップミドルスピーカーとして設置する場合、試聴位置のやや前側が良いとAVアンプの取説に記載しているメーカーがあります。

僕も経験から、2本設置の場合の角度はほぼ70°で良しと判断して実際に取付けていました。

なぜ視聴位置の真上でなく、やや前なのか?

真上では音が後方、つまり後頭部に廻ってしまうためです。音を真上に自然に定位させるには、トップミドルスピーカーはやや前側に設置するのが良かったのです。(参考過去記事

 対して、天井スピーカーを4本設置の場合には、視聴位置の前後に均等配置するというのが基本の形とされています。
また、その角度については前後45°が望ましいという評論家さんのレポートも見かけたことがあります。

しかし、トップミドルスピーカーについては、やや前側設置としていたものを、4本設置では単に前後均等振り別けで良いのかという疑問が無きにしもあらずなのでした。

 では、拙宅の設置環境で、実際の音はどうだったのか?
実は以下の点で不満、または消化しきれていないと感じる事がありました。

・頭上に定位するはずの音が、やや後ろ寄りに感じる。

・ドルビーのデモディスクに入っている「ヘリコプターデモ」の聴こえ方の違和感。

「ヘリコプターデモ」とは、ヘリが左旋回する様子を天井スピーカーで再現するデモ音源です。

僕が感じた違和感の具体的イメージはこうです。
赤い線が、ヘリが旋回する軌跡の聴こえ方ですが、旋回飛行にしては不自然なのです。
170219-3.jpg


これだとヘリは「旋回」と言うよりも、左右にほぼ行ったり来たりするだけのように聴こえるのです。
点線で書いた前後方向の移動感が曖昧ですし、前後の軌跡が視聴位置(頭上)に近すぎです。

これでは天井の音場が狭く、前後の移動感に乏しいことになっていないか?

 これを改善するにはどうすれば良いか・・

トップフロントスピーカーを、実験的に前に仮設してテストすることにしました。

170219-5.jpg(仮設スピーカーはこれで300mm前)


次回に続きます。


・・なのですが、先に結論を書いておきます。
結論を引っ張るテレビの情報番組のようでは、イライラしますよね。

せっかくトップスピーカーを取付けるなら、視聴位置前後に45°配置はマスト。
これ以上狭くなる配置は、おすすめしません。(せめてトップフロントだけは厳守)




 

2016年03月06日

Auro-3Dとは?

Auro-3Dなる、第3の新たなサラウンドフォーマットの名前を目にします。
なんでも海外ではソフト、ハード共に既に実働しているらしいですね。

そういう意味では、未だ実働していないに等しいDTS:Xに比べると、このAuro-3Dが先に来るべきだったのでは?・・・。

なんだか、最近のサラウンドフォーマットとその関連業界の動きはユーザーには全く読めません。
だから僕らは、何か記事が出ればそれで一喜一憂、右往左往・・。

一応、気になる人もいると思いますので、このAuro-3Dのスピーカー配置をうちの部屋でシミュレーションしてみました。
要するに、アトモスとの共用は可能なのかどうか?という疑問がありますから。
DTS:Xの事は考えないで良いでしょう。スピーカー配置にこだわらないと言っていますよね。
(言っていますよね。今のところは)

図中の赤い四角の薄型スピーカーがAuro-3D用のスピーカーです。
KEFのT101というスピーカーを、壁掛け設置を想定して書いたものです。
160306-2.jpg

基本は9.1chで、フロアの5.1chと前後のハイトスピーカー4本を仰角30°の高さに配置。
160306-1.jpg
前後のハイトスピーカーの高さが違いますが、これは考察したものではありません。テキトーです。
10.1chでは、トップスピーカーを1本追加。(位置が直上でないのは個人の考えです)
11.1chでは、さらにフロントのセンターハイトを1本追加。

こういう配置のスタイルであり、フロア、ハイト、トップの3層構造だということです。

これから見えるのは、従来のヤマハのシネマDSP用のスピーカー配置です。
アトモス用にフロントと、リアのハイトスピーカーを設置してある場合も同様です。

これならアトモスとAuro-3Dの共用は出来るでしょう。
ただし、アトモスの天井スピーカーとの共用は、わかりません。
多分、このままでも2層なので使えるのでしょう。

さて、このAuro-3Dが今後、国内で展開があるのかどうか?

こちらの記事には「今年が元年になるのでは」と書いてあります。
あるのですが、・・ここはAVアンプメーカーからのアナウンスを待ちましょうよ。

ここなんですよね。

こういう情報に振り回されるのはもう御免です。

そう言う僕自身も、その片棒を担いでいるのだと言われても仕方ないかも知れません。
だとすれば、申し訳ないことです。

冒頭書きましたように、この手の情報に関してはWEB上の記事を見ても良い事がありません。
フォーマットの供給元からの情報は、ユーザーからの距離が時系列で遠すぎます。

僕らが実際に製品を手にするメーカーからの情報、これを待ちましょう。



追記。

「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」のブルーレイの収録音声がイマーシブオーディオでは無いらしい・・これにはがっかりしました。

上に書いた事も含めて業界が理解できず、思わず「この趣味なんぞ放り投げてしまえ」という衝動に駆られてしまいました。

あらゆる情報を断って、自身のこのブログも止めるか。

あるいは、それでも敢えて立ち向かうか?




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タグ:Auro-3D

 

2016年02月21日

理想のサラウンド配置とは。

 天井スピーカーが加わった最新のサラウンドでは、従来以上にその配置に気を使う必要があると思っています。

前回の記事で載せた図に、天井スピーカーまでを含めた音場イメージの円を追加してみました。
160221-5.jpg

こうして見てみると、音場が後ろ寄りではないのか?という疑問をお持ちの方がいらっしゃっるかも知れません。

逆に言いますと、フロントスピーカーと視聴位置の空間が間延びしているわけですが、実際にはAVアンプ側でそれなりの最適化がなされているわけです。
しかし、補正値の数字を上げない工夫が必要なことも確かです。

 ここで一度、サラウンド配置の現状と理想のかたちを、明確に比較しておく必要があると思いました。

ドルビーアトモスの登場から1年を経たところでようやく、評論家諸氏による天井スピーカーの詳細な追い込みレポートを見る機会が増えました。

それによりますと・・
視聴位置の前後にシンメトリーな配置で、仰角はトップフロントが45°、トップリアは135°つまり45°の振り分け(ドルビーの推奨位置)が好ましいということです。

うちでは偶然似通った位置に収まっています。
しかし、視聴位置を基準にしているために「後ろ寄り」になってしまいます。

その「後ろ寄り」の原因・・これはスクリーンサイズによるものです。
僕がスクリーンを使い始めた当初は、4:3の100インチでした。よって視聴位置も長めであったという流れもありあり、サラウンドスピーカーが近くなるという部分については、壁掛けや天吊りで距離を稼ぐという考え方の時代があったためなのです。

これを最近になって(アトモス対応以降)フロントスピーカーの開き60°に修正したことで視聴位置は前に移動しましたが、依然として後ろ寄りなのは、まだスクリーンが大きいためです。

それと、サラウンドスピーカーの見た目の「相対的な近さ」も目立ちます。

これは視聴位置では変わりません。原因は部屋の大きさ、横方向の広さにあります。
図にしてみました。
160221-2.jpg

サラウンドスピーカーが本来あるべき位置(AVアンプがディレイを掛けて修正した仮想の位置)を書き入れたものです。
フロントスピーカーと等距離にあるべきサラウンドスピーカーは、部屋の横幅が広ければこういう位置にあるはずです。
そして視聴位置からの前後位置も遠くなります。
横から見たものがこれです。約39センチは後方に下がるわけです。
160221-1.jpg

では、これらを解決する天井スピーカー時代の理想のサラウンド配置とは?

僕の10畳の部屋でシミュレーションしてみました。
まずフロント60°サラウンド120°の角度は基本で、サラウンドスピーカーを部屋に収まるようにすると、必然的にこうなります。
160221-3.jpg

こじんまりとします。大きなスクリーンは難しくなって80インチ、あるいはTVの選択がが無難でしょうか。
図には40インチのTVを置いてみましたが、55から60インチまでは入ると思います。
当然ながら、天井スピーカーの収まりは良いです。

横から見た図です。
160221-4.jpg

フロントスピーカーから後方に置いた2台目のサブウーファーまで、音場イメージの中に収まっています。

これなら、センタースピーカーと後方のサブウーファーの位置を修正すると、真四角の8畳間にはほぼ、収まる配置だと思います。


 大半の人はこの大きさの部屋に(8畳以上)100インチを基準にして検討をし、「入るから」「もったいない」「TVと大差なくなるから」というような理由で、大きめの110、120インチという選択をされるのだと思われます。特に初めてのスクリーン導入時の選択であれば、その気持ちは解りますが・・。

画面が大きい(近い)と、画素が目立って嫌だなどと言っているのは、僕くらいなものです。(笑)
なので一般に受け入れられる考えでは無いのかもしれませんね。

しかし、このかたちを頭の隅に置いておいても良いかなと思いますが、どうでしょうか。


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2016年02月06日

前後のセンター定位。

天井スピーカーの登場によってサラウンドも3D表現となり、スピーカーの配置と調整は一段とシビアになったと思っています。

これをAVアンプのオートセットアップ機能に任せたままですと、やはりまだ無理があります。
聴感との差を、マニュアルで修正した場合の効果は歴然とあるのです。

デフォルトのままですと
平面的で立体感に欠けるサラウンドであり、5.1chとの差を感じ難い
SEが(効果音)すべきところに定位しないので、リアルな空間の感じが出ない。
・・という様なことになります。

今回はそのマニュアル調整で、まず最初に押さえるべき重要なことについて触れます。


ステレオ再生では当然な事ですが、「センター定位」というフレーズを見聞きします。

音量バランスの調整などで、スピーカー間の真ん中に音像を定位をさせるのが基本なわけです。

では、ホームシアターの場合ではどうでしょうか。
左右は当然として、「前後のセンター定位」という意識はありますでしょうか?

以前の記事で、この事が重要だと書いたつもりでしたが、もっと具体的に説明します。

ここを考えて行くと・・・
天井スピーカーとフロアスピーカー(5.1などの基本配置)との関係。

さらには、
画面の大きさと視聴位置の関係。

最後には、
理想のサラウンド配置とは?・・このあたりまで見えて来ます。


下の図は、うちのシアタールームを真ん中で割って、左の壁側を見たものです。

160206-1.jpg

赤と青の囲みの部分は、聴感で感じる前後のスピーカー間の音像の定位を示したものです。
赤は天井スピーカー間、青はフロントスピーカーとサラウンドスピーカー間のそれです。

SC-LX78のオートセットアップ、MCACC PROによって設定された状態のままですと、なぜかこういう感じになっていました。これは右側のスピーカーについても同様です。

まず、天井スピーカーの前後のセンター定位に問題はありませんでした。
一方で、フロントスピーカーとサラウンドスピーカー間のセンター定位については、偶然にもスピーカー間のほぼ中央にあり、「スピーカー間の真ん中に定位するようにバランスを調整する」のであれば、正しい様にも思われます。

しかし、サラウンド空間表現とSEのリアルな定位感、何より天井スピーカーとの関係性を考えると、これでは良くありません。

フロア設置のスピーカーの前後のバランス、すなわち前後のセンター定位も、天井スピーカーのそれと合致しなくてはいけません。

このようにです。

160206-2.jpg

天井スピーカーは視聴位置を中心に前後に等距離(同じ角度)な設置が基本です。
よって、前後のセンターは自身の真横と言う事になります。

しかし、実際には図でも分かるように、サラウンドスピーカーの位置が視聴位置に近いため、定位を真横にすると、当然サラウンド音場が後ろ寄りに(サラウンドスピーカーの音が大きくて)なってしまいます。

この実情を踏まえて、実際には「真横」では無く「眼前横」のような位置へ定位するようにマニュアルで調整しています。

この際の追い込みについては、SC-LX78の場合「Fine SP Distance」が使えます。
これと音量バランス調整を組合せるのです。
(参考の過去記事はこちら


しかし、そもそも視聴位置が後方過ぎないか?前後センターが部屋のセンターでは無いのか?
という疑念が出てきます。

このあたり、次回もサラウンドのスピーカー配置の話です。



今一番おいしい思いをしているのが、こちらのオーナーさんでしょうね。
しかし高い買い物ですよ。
実際にはほんの一握り・・の人の話でしょうけど。

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