2017年03月19日

トップフロントスピーカーの位置再考。 その3

 前回書きました通り、トップフロントスピーカーを仮設で300mm前方に移動して試聴したところ、良い感触を得まして、本格的に設置位置を変更してみることにしました。

せっかくならと今回、取付け方法には一考を加えることにしました。
スピーカーの位置を前後に移動可能な仕組みとしたのです。

 170212.jpg 170312-3.jpg

これはパイプの上をスライドさせる事で、前後に最大300mmの調整幅を得られます。

 試聴は以下の3箇所で行いました。
170219-2.jpg

1. トップフロントスピーカーを、一番後方(視聴位置寄り)にスライドさせた位置。
ここは従来の設置位置から見て、140mm前方の位置になります。
同時に仰角がちょうど45°の位置でもあります。

仰角45°は、ドルビーが推奨する設置範囲の基準とされる位置となります。

2. 真ん中あたりの位置。
ここが前回仮設で試聴した「300mm前方」の位置相当で、仰角は41°

3. 前方いっぱいにスライドさせた位置。
従来の試聴位置からは460mm前となり、仰角は38°


 以下結果です。

1.の仰角45°・・やはりこの程度の仰角が、つまり視聴位置から離れた方が、例の「ヘリコプターデモ」のヘリの旋回の前後の移動感が自然になって来ます。

2.の仰角41°・・ヘリの軌跡は、より前方を飛びます。
映画ソフトを試聴すると、前方の空間の高さと密度が上がるように思われます。
これはフロントハイトスピーカーを最初に設置した時の印象に近い感じがしました。

この条件での「ヘリコプターデモ」の聴こえ方のイメージはこうなりました。

170312-1.jpg

旋回の部分、前後方向への移動がはっきりして来ました。

3.の仰角38°・・ヘリの軌跡はもっと遠ざかりますが、ここまでやると後ろ側とのバランスが開き過ぎる気がします。
トップリアスピーカーからのヘリの音は後頭部の上を横切りますが、前方には離れすぎて頭上という感じはなくなります。


 さて、従来の設置位置(仰角48°)と比較した今回の試聴結果をまとめますと・・

天井のサウンドエフェクトの定位と音場の広さ(サービスエリア)はトップスピーカーの位置で明確に変わってしまいます。

このために、トップスピーカーの仰角45°は確保すべきだと思います。
これ以上の角度ですと、頭上の音場が狭くなり、前後の移動感と目前から上方までの空間密度も薄くなるように感じました。

もしも新築等で天井埋め込みをお考えなら、仰角45°の前後対称施工をおすすめします。
後では動かせませんのでね。

うちではトップリアスピーカーの位置が壁際であることから動かせず、トップリアと視聴位置を挟んで前後対称に設置していたわけですが、トップフロント側だけでも前方に移動することで、上に書いた要件を改善出来たと感じています。

 この前触れた、フロアスピーカーとトップスピーカーの位置関係を横から見た場合の「台形」の歪みが緩和されていることも、音場感に影響すると思っています。下の図の左が以前、右が今回移設した状態の台形イメージです。

 170319-1.jpg 170319-2.jpg

 
 以上の試聴の結果から、現在はわかりやすい効果があった、2の仰角41°の位置に決めて使用中です。

ただし、ヘリは本来視聴位置を中心に旋回をするはずが、(前後等分配置であれば)現状の軌跡は前方に偏っています。
これは視聴位置が部屋の後方に位置するため、仕方ないとするところです。
また、映像が展開するのは前方のスクリーンのみですから、スクリーンの外は視聴者の想像と感じ方に任される部分もあり、どこに定位すべきと測れるものでもありません。

しかし、理想の試聴位置はもっと前、サラウンドスピーカーが作るサークルの真ん中に近づくほど条件は良くなるはずです。

 一方で、ドルビーの推奨範囲は仰角30°までをOKとしています。
これはフロントとリアのハイトスピーカーの利用を見込んだものと思われますが、ヘリの軌跡はどうなるか、推して知るべしかと思います。


 もう1つ、「その1」で、「頭上に定位するはずの音が、それよりもやや後ろ寄りに感じる」と書きました。
これについては、トップスピーカーの位置が変わっても明確な改善は感じられませんでした。
収録音源がそうなのか、あるいは頭上のセンター定位を明確にするための「天井6本」を必要とする問題なのかも知れません。


 肝心の「それらしい」ソフトですが、最近の(ちょっと古いけど)手持ちのですと、これですかね。↓



 

2017年02月26日

トップフロントスピーカーの位置再考。 その2

 天井スピーカーのフロント側を、従来の位置よりも前に設置したらどうなるか?というテストです。

 まず、従来の天井スピーカーの配置のおさらいです。

・基本的には、視聴位置の前後に均等配置としたものです。
前後のスピーカーの距離に数値の違いがありますが、施工誤差です。(または施工ミスとも言いますが。笑)
170219-1.jpg

・なぜ45°前後均等にしなかったのか?
トップフロントで言えば、あと140mm前に移動すると45°になりますが、リア側が壁に近くなり過ぎるのを避けた結果です。部屋の角に近づけるのは音に影響して、フロント側との音質の差も出てくるからです。

・台形の配置が気になっていた。
フロアスピーカーと天井スピーカーの位置関係を結んだ台形が、後ろに偏った形状であるのは、バランス的にどうかという疑問です。(これは視聴位置の問題ですが)
170226-1.jpg


 この配置では、前回の記事で書いた「ヘリコプターデモ」の軌跡のように、天井スピーカーの音像はスピーカーの手前(視聴者寄り)に定位します。これは意外と思ったよりも手前でした。
ですから、天井の音場イメージは4本のスピーカーで囲まれた範囲よりも、実際はもっと狭くなる感じなのです。

 以上の事も踏まえて、現状からトップフロントスピーカーのみ300mm前側に※仮設してテストしました。

方法はこうです。
170219-5.jpg 170219-7.jpg

テスト用のスピーカーはヤマハのNS-10MMTという、知る人ぞ知る往年の小型スピーカーですが、このくらいの容量があれば天井スピーカーには十分使えると思います。
工作用のクランプのバーを、既設のアングルに通した状態にして、壁掛け金具との隙間に挟んた状態です。

170219-6.jpgトップスピーカーのマウントがアングルだとこういう実験には使えます。

・・そもそも、このアングルがダメ?

機能性は抜群なのですがね。

見た目?・・そうですか。

お部屋の景観破壊、器物破損の観点から見てアウトなら、どうしようもないですね。

 ともあれ、この状態での効果は、はたして・・・

音像イメージは、やはり前方に遠ざかっています。
ヘリコプターの軌跡がUターンでは無く、旋回に近づきました。
同時に前側の音場が上方にやや広がったように感じます。

オブジェクトの定位感、解像度も上がるようです。
(この手のテストには「ネイチャー」の波のシーンから海中、滝のシーンがわかりやすいです)

 これで、トップフロントスピーカーの移動は効果的だとわかりました。
早速、本格的に移設を考えることにしました。



続きは次回です。



 ※実は300mmの根拠がありました。
「ヘリコプターデモ」の聴きながら、チェアを180°回転させて後ろを向いてみました。
後ろを向くと、頭(耳の位置)が4本のトップスピーカーの中心から、後ろ側にオフセットされた状態になります。(目前のトップリアスピーカーからは遠くなる)それが良い感じだったのです。

この時の頭の位置のオフセットがちょうど300mmでした。
これだけでも前方に離せば効果はあると。


NS-10MMTと同等品はこのあたりでしょうか。↓
NS-B210 [MB:ブラウンバーチ]YAMAHA(ヤマハ) 単品スピーカー

 

2017年02月18日

トップフロントスピーカーの位置再考。 その1

 天井(トップ)スピーカーを2本、トップミドルスピーカーとして設置する場合、試聴位置のやや前側が良いとAVアンプの取説に記載しているメーカーがあります。

僕も経験から、2本設置の場合の角度はほぼ70°で良しと判断して実際に取付けていました。

なぜ視聴位置の真上でなく、やや前なのか?

真上では音が後方、つまり後頭部に廻ってしまうためです。音を真上に自然に定位させるには、トップミドルスピーカーはやや前側に設置するのが良かったのです。(参考過去記事

 対して、天井スピーカーを4本設置の場合には、視聴位置の前後に均等配置するというのが基本の形とされています。
また、その角度については前後45°が望ましいという評論家さんのレポートも見かけたことがあります。

しかし、トップミドルスピーカーについては、やや前側設置としていたものを、4本設置では単に前後均等振り別けで良いのかという疑問が無きにしもあらずなのでした。

 では、拙宅の設置環境で、実際の音はどうだったのか?
実は以下の点で不満、または消化しきれていないと感じる事がありました。

・頭上に定位するはずの音が、やや後ろ寄りに感じる。

・ドルビーのデモディスクに入っている「ヘリコプターデモ」の聴こえ方の違和感。

「ヘリコプターデモ」とは、ヘリが左旋回する様子を天井スピーカーで再現するデモ音源です。

僕が感じた違和感の具体的イメージはこうです。
赤い線が、ヘリが旋回する軌跡の聴こえ方ですが、旋回飛行にしては不自然なのです。
170219-3.jpg


これだとヘリは「旋回」と言うよりも、左右にほぼ行ったり来たりするだけのように聴こえるのです。
点線で書いた前後方向の移動感が曖昧ですし、前後の軌跡が視聴位置(頭上)に近すぎです。

これでは天井の音場が狭く、前後の移動感に乏しいことになっていないか?

 これを改善するにはどうすれば良いか・・

トップフロントスピーカーを、実験的に前に仮設してテストすることにしました。

170219-5.jpg(仮設スピーカーはこれで300mm前)


次回に続きます。


・・なのですが、先に結論を書いておきます。
結論を引っ張るテレビの情報番組のようでは、イライラしますよね。

せっかくトップスピーカーを取付けるなら、視聴位置前後に45°配置はマスト。
これ以上狭くなる配置は、おすすめしません。(せめてトップフロントだけは厳守)




 

2016年03月06日

Auro-3Dとは?

Auro-3Dなる、第3の新たなサラウンドフォーマットの名前を目にします。
なんでも海外ではソフト、ハード共に既に実働しているらしいですね。

そういう意味では、未だ実働していないに等しいDTS:Xに比べると、このAuro-3Dが先に来るべきだったのでは?・・・。

なんだか、最近のサラウンドフォーマットとその関連業界の動きはユーザーには全く読めません。
だから僕らは、何か記事が出ればそれで一喜一憂、右往左往・・。

一応、気になる人もいると思いますので、このAuro-3Dのスピーカー配置をうちの部屋でシミュレーションしてみました。
要するに、アトモスとの共用は可能なのかどうか?という疑問がありますから。
DTS:Xの事は考えないで良いでしょう。スピーカー配置にこだわらないと言っていますよね。
(言っていますよね。今のところは)

図中の赤い四角の薄型スピーカーがAuro-3D用のスピーカーです。
KEFのT101というスピーカーを、壁掛け設置を想定して書いたものです。
160306-2.jpg

基本は9.1chで、フロアの5.1chと前後のハイトスピーカー4本を仰角30°の高さに配置。
160306-1.jpg
前後のハイトスピーカーの高さが違いますが、これは考察したものではありません。テキトーです。
10.1chでは、トップスピーカーを1本追加。(位置が直上でないのは個人の考えです)
11.1chでは、さらにフロントのセンターハイトを1本追加。

こういう配置のスタイルであり、フロア、ハイト、トップの3層構造だということです。

これから見えるのは、従来のヤマハのシネマDSP用のスピーカー配置です。
アトモス用にフロントと、リアのハイトスピーカーを設置してある場合も同様です。

これならアトモスとAuro-3Dの共用は出来るでしょう。
ただし、アトモスの天井スピーカーとの共用は、わかりません。
多分、このままでも2層なので使えるのでしょう。

さて、このAuro-3Dが今後、国内で展開があるのかどうか?

こちらの記事には「今年が元年になるのでは」と書いてあります。
あるのですが、・・ここはAVアンプメーカーからのアナウンスを待ちましょうよ。

ここなんですよね。

こういう情報に振り回されるのはもう御免です。

そう言う僕自身も、その片棒を担いでいるのだと言われても仕方ないかも知れません。
だとすれば、申し訳ないことです。

冒頭書きましたように、この手の情報に関してはWEB上の記事を見ても良い事がありません。
フォーマットの供給元からの情報は、ユーザーからの距離が時系列で遠すぎます。

僕らが実際に製品を手にするメーカーからの情報、これを待ちましょう。



追記。

「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」のブルーレイの収録音声がイマーシブオーディオでは無いらしい・・これにはがっかりしました。

上に書いた事も含めて業界が理解できず、思わず「この趣味なんぞ放り投げてしまえ」という衝動に駆られてしまいました。

あらゆる情報を断って、自身のこのブログも止めるか。

あるいは、それでも敢えて立ち向かうか?




KEF T101 WHITE ケーイーエフ 超薄型スピーカー1ペア(ホワイト)

タグ:Auro-3D

 

2016年02月21日

理想のサラウンド配置とは。

天井スピーカーが加わった最新のサラウンドでは、従来以上にその配置に気を使う必要があると思っています。

前回の記事で載せた図に、天井スピーカーまでを含めた音場イメージの円を追加してみました。
160221-5.jpg

こうして見てみると、音場が後ろ寄りではないのか?という疑問をお持ちの方がいらっしゃっるかも知れません。

逆に言いますと、フロントスピーカーと視聴位置の空間が間延びしているわけですが、実際にはAVアンプ側でそれなりの最適化がなされているわけです。
しかし、補正値の数字を上げない工夫が必要なことも確かです。

一度、サラウンド配置の現状と理想のかたちを、明確に比較しておく必要があると思いました。

ドルビーアトモスの登場から1年を経たところでようやく、評論家諸氏による天井スピーカーの詳細な追い込みレポートを見る機会が増えました。

それによりますと・・
視聴位置の前後にシンメトリーな配置で、仰角はトップフロントが45°、トップリアは135°つまり45°の振り分け(ドルビーの推奨位置)が好ましいということです。

うちでは偶然似通った位置に収まっています。
しかし、視聴位置を基準にしているために「後ろ寄り」になってしまいます。

その「後ろ寄り」の原因・・これはスクリーンサイズによるものです。
僕がスクリーンを使い始めた当初は、4:3の100インチでした。よって視聴位置も長めであったという流れもありあり、サラウンドスピーカーが近くなるという部分については、壁掛けや天吊りで距離を稼ぐという考え方の時代があったためなのです。

これを最近になって(アトモス対応以降)フロントスピーカーの開き60°に修正したことで視聴位置は前に移動しましたが、依然として後ろ寄りなのは、まだスクリーンが大きいためです。

それと、サラウンドスピーカーの見た目の「相対的な近さ」も目立ちます。
つまりは前後の位置が近いということです。

これは視聴位置では変わりません。原因は部屋の大きさ、横方向の広さにあります。
図にしてみました。
160221-2.jpg

サラウンドスピーカーが本来あるべき位置(AVアンプがディレイを掛けて修正した仮想の位置)を書き入れたものです。
フロントスピーカーと等距離にあるべきサラウンドスピーカーは、部屋の横幅が広ければこういう位置にあるはずです。
そして視聴位置からの前後位置も遠くなります。
横から見たものがこれです。約39センチは後方に下がるわけです。
160221-1.jpg

では、これらを解決する天井スピーカー時代の理想のサラウンド配置とは?

僕の10畳の部屋でシミュレーションしてみました。
まずフロント60°サラウンド120°の角度は基本で、サラウンドスピーカーを部屋に収まるようにすると、必然的にこうなります。
160221-3.jpg

こじんまりとします。大きなスクリーンは難しくなって80インチ、あるいはTVの選択がが無難でしょうか。
図には40インチのTVを置いてみましたが、55から60インチまでは入ると思います。
当然ながら、天井スピーカーの収まりは良いです。

横から見た図です。
160221-4.jpg

フロントスピーカーから後方に置いた2台目のサブウーファーまで、音場イメージの中に収まっています。

これなら、センタースピーカーと後方のサブウーファーの位置を修正すると、真四角の8畳間にはほぼ、収まる配置だと思います。


大半の人はこの大きさの部屋に(8畳以上)100インチを基準にして検討をし、「入るから」「もったいない」「TVと大差なくなるから」というような理由で、大きめの110、120インチという選択をされるのだと思われます。特に最初の選択であれば、気持ちは解りますが。

画面が大きい(近い)と、画素が目立って嫌だなどと言っているのは、僕くらいなものです。(笑)
なので一般に受け入れられる考えでは無いのかもしれませんね。

しかし、このかたちを頭の隅に置いておいても良いかなと思いますが、どうでしょうか。


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