2018年02月24日

デノンのモンスター、AVC-X8500Hを試聴しました。

 先日、デノンAVアンプの新フラッグシップ、AVC-X8500Hを試聴してきました。

180219-1.jpg会場は12畳程度、120インチスクリーンと左右のスピーカーが余裕を持って入る横幅のあるスペースに5.1.6chというスピーカー配置。

主な使用スピーカーは、フロントにB&Wの703S2、サラウンドSPは後方の隅に置かれたCM9S2で、視聴位置からは遠目。

天井6本は埋込みで、ドルビー推奨配置図のイメージに近いがトップフロントとトップリアの間隔は狭めで、試聴位置を中心に意外と小じんまりとまとまったイメージ。そういう環境でした。

 それでは試聴ソフト順に、印象的だった部分を書きます。

・ドルビーのトレーラー「Amuse」
まず、サラウンドの空間が広いと感じた。音数多し。高さも出ていて空間密度が高い。

・ドルビーのトレーラー「Leaf」
風が枝葉をかき分けるカサカサという音が明瞭で定位が良い。
リーフの舞う軌跡も明瞭。

・「マッドマックス 怒りのデス・ロード」冒頭部分。
あちこちから聴こえる、子供や女性のセリフの定位とキレが良い。

・ドルビーのデモディスクから「ヘリコプターデモ」
これは天井スピーカーが鳴るだけのデモですが、4本の時と6本の時を聴き比べさせていただきました。

天井スピーカー4本の時・・前述したように、配置が小じんまりした環境であっても意外とヘリコプターの軌跡は視聴位置を中心に旋回していましたが、ややUターンの連続のようにも聴こえます。

天井スピーカー6本の時・・横方向からの前後方向への移動の様子が出てきます。旋回、回り込みが聞き取れるようになります。

・持参した映画「トランセンデンス」チャプター9、砂漠での爆発シーン。
会話の途中で突然の爆発。ここでの瞬発力を聴いてみました。
これは自宅よりも微妙に上回っている感じは受けました。

以上の感想を総じて言いますと、
音質に関しては、サラウンド空間が広く、セリフやSEの定位とキレが良いという感じを受けました。
天井スピーカー6本の恩恵は明確で、空間の密度が上がって自然になり、前後の移動感も出ます。

ただ、自宅とは部屋の大きさやスピーカーのキャラクターが違うので、これらすべてがAVC-X8500Hの美点であるのか、あるいはB&Wのキャラクターが被っているのか・・。

このあたり、自宅に帰ってからAVR-X7200WA+PMA-2000REの7.2.4chと比較してみました。

サラウンド空間は自宅のほうが狭いです。これは部屋のせいか?
やはり自宅のKEFのQシリーズとスピーカーのキャラクターが違います。
セリフのキレは劣りますが、中低音は自宅の方がむしろ出ています。
X8500は、X7200よりもピュア寄りの傾向が出ているのかも知れません。

実は映画ソフト「ネイチャー」を持参して、海のシーンと滝壺のシーンも聴きました。
これらのシーンで、視聴位置の回りの直近を取り巻くアトモス特有の音の移動感は自宅の方が良好。これはセットアップの微妙な違いかと思われます。

仮にAVC-X8500Hに入れ替えた場合・・・「天井6本」にする恩恵は間違いないでしょう。
この点だけでも僕には十分な価値を見い出せます。
天井6本にこだわらなければ、X7200のままでも良いのかも知れません。

この天井スピーカーを6本にした場合のDTS:Xですが、サラウンドバックSPがある7.1.6配置ではトップミドルSPは鳴らないそうです。つまりDTS:X再生時には7.1.4までしか機能しないということです。
そういう意味ではDolby AtmosとDolby Surroundのための「天井6本」と言えます。

他の音質についてはX7200は発売から3年の経過があり、何も変わっていないということもないでしょうから、何かしらの美点は味わえるはずで、そこを楽しみにするのも良いかと思います。

 操作性、メニューの体裁などは変わっていないようでした。
相変わらず、メニュー項目の選択が下方向へしか行けないのは面倒で、デノンさんに話しましたところ、(関係者に)伝えてもらえるそうです。

180219-3.jpg背面はX7200より5.5センチ長く、ラックの奥行きには要注意。
高さはほぼ同じで、正面の見た目は遠目では判らず・・。

重量は大幅アップの23.3kg。これは重すぎる!と思いましたが、PMA-2000REより1kgまだ軽い。何とか持てそうです。


 最後に、デノンさんにお聞きしたことがあります。

「今回11chプラス外部アンプで13chというような考えでは無く、13chの1体化としたのは何でですか?」と。

回答は、『AV用の外部アンプって難しいんですよね』でした。
つまり、何を使えば良いのか?ユーザーはちょっと考えます。商品も「AVアンプ用外部アンプ」ってのは無いですし。
それ故の一体化という事らしいです。ピュアオーディオの側から見ると何それ?っていう話でしょうけど、メーカーではサラウンドアンプという商品とピュアオーディオを、明確に分けて考えているということでしょう。


 今回デノンが本機をモンスターを呼んでリリースしました。そのことに関する意見があろうかと思います。

しかし、AVアンプと2chピュアオーディオとの共通点は、「音が出る」ということだけで、他のすべてが違うわけです。
AVアンプの音はピュアに比べたら云々と比較する・・・そもそも、それ自体どうでしょう?

AVアンプの愛好家は沢山います。
何より真面目に開発、商品化されたものを僕は喜んで使います。



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タグ:AVC-X8500H

 

posted by shu at 15:12 | Comment(6) | 新製品ウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月27日

BenQ HT2550の設置シミュレーション。

 プロジェクターを使用するホームシアターの目下の悩みは・・
4Kの視聴環境を導入したくても、そのプロジェクターが高すぎて手が出せない
こういう人は少なくないはずです。

一応、安価な方から3機種挙げてみますと、

オプトマ UHD65(DLP)・・40万円
エプソン EH-TW8300(液晶)・・33万円
オプトマ UHD60(DLP UHD65のリビング仕様)・・30万円 

といったところでしょうか。

この他の機種は50万、70万以上の話になってしまいます。
ここは自身が出来る範囲で自己実現できればそれで良いと思うのです。

上の3機種でも最低が30万。しかし、これでもあと10万高いというのが庶民感情です。

そうした状況の中で昨年、BenQから「HT2550」という製品がリリースされるというニュースがありました。

この「HT2550」はDLP方式で、どうやら画素ずらしでは無い真の4K※注らしい?のです。

で、その価格が22万円とも20万円を切るという情報もあります。

これは一気に現実味を帯びた価格ではないですか。

しかし、その価格なりの画質性能、その突っ込みどころをスペックから読み取って、何をか言わんやという人もあるでしょう。しかしそういう話はそっちの人に任せます。

僕の着目点は、価格なりの影響・・それを受ける要素が設置性にあることは否めません。

気になる設置性でのポイントは次の通りです。

レンズシフト機能が無い
スクリーンの横幅センターに、レンズをぴったり合わせて置くことは必須条件です。
ただし、上下方向へは自動の台形補正が効くので対応可能ですが、台形補正は大きく掛けるほど画面の左右が欠けて画面がやや小さくなると認識しています。(製品HPに明記が見つかりませんから個人の推測です)

ズームがやや物足りない
これは、このクラスの製品への注文としては贅沢かも知れません。
自室ではちょっと足りないという話です。

やや動作音(冷却ファンの音)が大きい
29dBだと、ちょっと耳につくかも知れません。

ではこの辺りについて、自室の100インチスクリーンの環境での設置シミュレーションを見てみましょう。

100インチスクリーンの下端は床から545mm。
視聴位置は2800mm。これは100インチで推奨される位置としては近い方です。

HT2550の投射距離は、3254から3892mmの範囲です。
シミュレーションを最遠の3892mmの位置としたのは、物理的収まりと、動作音に考慮したためです。
180126.jpg
便宜上の標準位置(天井から515mm)としたのが、台形補正を使用しない水平設置にした時の高さになります。
打ち込み角は、レンズのセンターから投射画面の下端が125mm上がる仕様ですから、図面はHT2550を上下反転した状態の設置例です。

 設置方法について。
実質、赤い点線の範囲が設置可能な空間となります。

Aの位置は、汎用の金具「スパイダー2」にての天吊りを想定。
Bの位置は、ラックなどの上に載せるとか。

標準位置に近い高さなら、スパイダー2のオプションシャフト使用で(長さ400mmくらい)対応が可能ですが、下げ過ぎると圧迫感、物理的に変な存在感が出るかも知れません。

A、Bいずれの高さでも、自動で効く台形補正は有効です。


 さて、実際自室に設置するとなれば・・

180127-1.jpg Aの位置
ズームがこれ以上効かないので、既存のラック(クローゼット内)が使えず、新たに天吊り金具の補強を含めた工事の必要があります。電源ケーブルの長いのも必要です。

しかしこの際、あるいは新築ではもちろん、天吊り金具の工事をしてしまっても、スパイダー2なら汎用性がありますから、将来プロジェクターを替えてもそのまま使えるというわけです。

 Bの位置
この位置でラック載せの方がやや現実的ですが、邪魔になることと、視聴位置に近いので、動作音を覚悟しないといけません。


 まとめ。

HT2550の発売は2月中旬。画質レビューがそこそこ良ければ、多くの人に朗報となり得ます。
設置条件を満たせる人、初プロジェクター、4Kの敷居を低く跨ぎたい人など・・
本体もコンパクトかつ軽量で3D対応と、良い部分もあります。悪くなさそうな気はします。

何より現時点で最安の4Kプロジェクター。
結局、買えるものしか買えませんからね。


※1.30注記 
オプトマのUHD65もリアル4Kだとの記述があります。 
参考記事はこちら




追記
さて、この件にも触れましょう。
デノンが真のフラッグシップと呼ぶ新型AVアンプ「AVC-X8500H」についてですね。
価格は48万円・・とにかく一度音を聴いてみたいと思っています。
某ショップからDMが来ています。その機会は来月にでも。
また、あらためて記事にするとは思います。




 

posted by shu at 23:57 | Comment(15) | 新製品ウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月31日

新製品ウォッチ '16-08

例年の事ながら、この秋に向けてAV機器の新型が発表され始めています。
いくつか取り上げてみましょう。

まずは既に発売中の製品から。

DMP-UB90 
DMP-UB900



世間の主流が未だにDVDにあろうかという一方で、意識の高いと言うか、新しもの好きな皆さんお馴染みのUHDブルーレイプレーヤーですね。
思ったよりも低価格でリリースされたので、既に所有の方も多いようです。

現時点で4Kレディ環境にある人にとっては、このパナソニックの2択がもっぱらの話題でしょうか・・。
UHD BDのソフトがいち早く欲しいという、コレクターほど導入の動きが早い?

一方で、他のオーディオメーカーからリリースされるであろうプレーヤーを待っている人も多い事でしょう。

個人的には4Kレディ環境もまだですから、様子見以前と言っておきます。
それに、まだ食指が動かないのには以下の理由もあります。

ブラックケースの鳴り物入り「UHD BD様」をしてもなお、海外版のアトモス仕様が日本版では不採用または、リリース自体が無しという作品が普通にある。(ま、これは今に始まった事ではないですが)
またDTS:Xにあっては、その弾数がぜんぜん足りてないという現状。


EH-TW8300W

4K対応プロジェクターの、ようやく現実的な価格で買えそうな機種が発表されています。
個人的な4Kレディ環境構築の優先度としましては、プロジェクターの方がまず先と考えています。
現在所有のLVP-HC7000は2009年製ですので、その基本性能の違いだけでも価値がありますから。(と言っても実勢価格30万オーバーの内の購入は厳しいですけど)

ホームシアター向けの液晶式プロジェクターは、そのパネル供給元であるエプソンのみが生き残り、他は生産を止めてしまいました。なので競合メーカーと製品の選択肢が無いのは寂しい限りです。

個人的に「次は、液晶はもう無い」(注1)と考えていたわけですが、その価格面から見たそのアドバンテージが、他のパネル方式との比較では絶対的である以上、仕方がありません。


(注1)液晶式プロジェクターには、ホコリが入るという決定的な欠点があって、それが画面にもやっと投影されるというその現象に、過去何回も泣いて来たからです。

製品価格対完成度の低さという、アンバランスの最たる存在が、液晶プロジェクターっていう代物でした。
(最近のエプソン機の事は知りません。と言うか、そういう情報も見掛けませんけど、どんなものでしょうか?)


SC-LX901



11chアンプ内蔵仕様で来た、パイオニアのフラッグシップAVアンプです。

税込み44万円という価格・・下位機種のSC-LX801に(こっちが89の後継でしょう)プラス2chアンプ1台分と考えると、11chの構築のコスパは良いという事になりませんか?(もちろん、お金があれば)

パイオニア機で11ch化を見据えると、クラスDアンプに手持ちのアナログアンプという組合せはおすすめしませんので、むしろ合理的な選択だとは思います。

しかし、そもそも11chが必要なのか?
こういう疑問をお持ちの方もおられるでしょう。

取説に指定通りのスピーカーレイアウトが取れるようでしたら、スピーカーは多いほうが良いと思います。
前後方向に部屋の大きさが足りない場合には、5.1.4ch配置つまり下位の9ch機でもパイオニアならば大丈夫だと思います。


ところで、SCシリーズの売れ筋だったLX59の後継機が、LX501かと思われるでしょうか?

しかし、これは違いますね。
LX501は7.2ch仕様、MCACCからPROが外れているなどのスペックダウンがあります。
そういう意味では、LX59の後継機ポジションはLX701の方が近いです。


話は戻って、11ch内蔵と言えば、デノンからも同様な11chAVアンプをリリースするような話がありますね。
まさか所有するAVR-X7200WAの後継機なのかと、早くも型落ちを覚悟しました。
しかし、どうやら6000番台?の下位機種らしいです。

でも、そのポジションで11ch化をラインアップするということは、いずれフラッグシップも11ch機になるのでしょうね。


それにしても、年を追うごとに各社AVアンプ上位機の価格は高騰化するばかりです・・・。
なので、正直うんざりする気持ちもあります。

しかし、その流れでは無い機種があります。
ヤマハのこれです。↓


RX-A3060


ヤマハの一体型最上位機である本機は、ここ2世代ほど後手を踏んでいた「見劣り仕様」(注2)を解消して、新たなサラウンドモードを追加、スピーカーの水平角度をも測定可能にするなど、明らかに充実した内容にも関わらず、その価格を据え置いています。これは相当にお得な機種に違いありません。

高騰する他社トップモデルを追うのに疲れたら、乗り換え候補としてRX-A3060で十分ではないか。という存在感が光ると思っています。


(注2)「見劣り仕様」とは、ヤマハのお家芸、シネマDSPとイマーシブオーディオとの掛けあわせが出来なかったという部分の事です。



9.2追記
障害報告

当記事の「拍手ボタンが押せない」という現象をご指摘いただきました。
早速修正をいたしました。
失礼いたしました。
何卒よろしくお願い致します。


 

posted by shu at 22:07 | Comment(19) | TrackBack(0) | 新製品ウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月26日

AVセンターの新製品について

最近発表された新製品から、目についたものを上げてみました。

まず今日はミドルクラスのAVセンターから。
一見して、このタイミングでデザインを変更したメーカーが多いことに気がつきます。

最初にデノンのAVR-3312。

型番でAVR-3311の後継機だと分かりますが、外観は下位機種のようになってしまったと言うのが、偽らざる第一印象です。
だってフロントのボタン類が隠されていないから。そう、シーリングパネルが省略されてしまったんですね。

ここ数年来、ミドル機種の「3311」までその外観は上位機の「4311」とほとんど見分けがつかず、お値打ち感があったのですが・・。

その代わりGUIも日本語になったように、中身の方は充実しているようです。
中身と外観はコスト面でトレードオフになったのでしょうか。

前面パネルのデザインも、従来機のようなデノンオーディオ機器に共通の、あの「曲面デザイン」とは変わって、控えめなものになったようです。
今後の製品も変わってくるのでしょうか?


次にパイオニアのVSA-LX55です。

こっちは逆にどんどん立派な外観になって来てませんか?
素材感は現物を見ないと分かりませんけれど、高さも増して押し出し感十分ではありませんか。

中身も立派です。ネットワーク機能の追加や位相制御のフルバンド・フェイズコントロール、LFEのずれを解消するというフェイズコントロールプラスの搭載など。
上位機と遜色が無くなってきたようです。

さらに、本機は基本の5.2chの環境に加えて、奥行と高さ、それとサラウンドバックをバーチャル再生して11.2dh再正が可能で、さらにワイドサラウンドとの組み合わせでは13.2ch再生が可能とのこと・・・(汗)。

いつの間にか、サブウーファー出力は0.2と表記されるように2本使いが標準化されつつあるようです。

それにしても、バーチャルで13.2chとはどういうことでしょう。

まず、画面の奥に仮想スピーカーを2本。
仮想のフロントハイトスピーカーを2本。
仮想のサラウンドバックスピーカーを2本。

これに基本の5.2chを加えると、都合11.2chです。

さらに、本機は7.2ch仕様なのでフロントワイドスピーカーを2本接続すると、合計13.2chになるというわけです。

ただし、フロントワイドとフロントハイトスピーカーはどちらかの選択接続です。
もし、ドルビープロロジックIIzを再生したい場合には、フロントハイトはバーチャルではいけません。
なので、フロントワイドスピーカーは接続できず、13.2chは実現しないということだと思います。

なるほど、基本の5.2chから最大13.2ch再生にまで対応できるとは。
しかし、僕個人はバーチャルが実音源の代わりをなし得るのか疑問ですし、音像のぼやけも懸念されます。

ですが、多くのケースで想定しうる、スピーカーの設置の諸々の障壁をカバーする、良い方策ではあります。

次ですが、実は昨日初めて3D映画を劇場で見ました。(滝汗)
その件も含めて最新のプロジェクターについて書きます。

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タグ:AVR-3312 VSA-LX55

 

posted by shu at 12:34 | Comment(4) | TrackBack(0) | 新製品ウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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