2017年09月03日

Auro-3Dスタート。

 先月発表があったデノンのAVR-X6400HとX4400H。この2機種のAVアンプが、国内初のAuro-3D対応の製品としてようやく登場となりました。

ようやくと書きましたのは、もう1年半前にこのAuro-3Dについては記事にして触れていたからです。
こちらの記事→「Auro-3Dとは

この記事で書きましたように、提唱されたおおよそのスピーカー配置はわかっていました。

しかしこれが、AVアンプに実装されるとスピーカー構成はどうなるのか?(何チャンネルで可能なのか?)
また、ドルビーアトモスのスピーカー配置との住み分けはどうなるのか?

このあたりについて、AVR-X6400Hの内容を確認してみました。

 まず、そもそもAuro-3Dは何チャンネル展開なのか?

AVR-X6400Hは11chアンプ内蔵です。この内の10chを使う10.1chが、今のところのフル仕様となるようです。

170903-2.jpg
KEFのT101を壁掛けで想定して赤色で記入しました。

フロアスピーカーには基本の5.1ch。
これに加えて、
フロントハイトスピーカー2本
サラウンドハイトスピーカー2本
さらに、
トップサラウンドスピーカー1本
という構成です。

トップサラウンドスピーカーが前方にずれているのは個人的考えからです。

トップサラウンドスピーカーは無しでも可で、ハイトスピーカー4本設置が基本。
しかし、デノンはフロントハイト2本のみでも再生は可能としています。

横から見てみます。
170903-1.jpg
Auro-3Dの「ハイトスピーカー」は、フロントスピーカー、サラウンドスピーカーの真上設置を基本とするもので、仰角は30°という目安があります。
Auro Technologiesによると、ハイトスピーカーの仰角が40°を超えると垂直方向の自然なつながりが消失するらしいです。
これだとドルビーアトモス用のトップスピーカーの流用では今ひとつな感じがします。

 スピーカー構成は高さ方向に3層構造となります。
これをレイヤーと呼んでいますが、フロアスピーカーがレイヤー1、ハイトスピーカーがレイヤー2、トップスピーカーがレイヤー3となります。

この事から言えますが、近年のサラウンド配置は基本チャンネルは床置とし、それ以外のサテライトスピーカーは上方に設置するというように、役割ごと上下に分かれた配置が基本となってきました。
以前のようにサラウンドスピーカーを天吊りするという考えは、最新のサラウンド構築には当てはめ難いと思います。

 ハイトスピーカーの設置において、図中後方のサラウンドハイトスピーカーのように、サラウンドスピーカーの真上設置で仰角30°というのは天吊では無理がある場合があります。
この場合は後方壁掛け設置が妥当ということになるでしょう。

 では実際の家庭に落とし込んだ場合、
Auro-3Dとドルビーアトモスとの住み分けを考えた現実的なスピーカー配置はどうするか?

アトモス用のトップスピーカーを天井ではなく、フロントとリアの「ハイト設置」とした環境が、両者を共用できるスピーカー配置となりそうです。

では、天井取付のアトモス純正配置の環境ではAuro-3Dは使えないのか?
AVアンプの設定で、天井スピーカーをトップフロント、トップリアではなく、「フロントハイト、リアハイト」にアサイン変更することで再生が可能だということです。これはその都度切り替えが必要ということになるでしょう。(少々面倒か)

 そもそもAuro-3Dっているの?

 海外での展開の程度は知りませんが、国内のソフトはまだまだ出始めではありますし、普及の進展具合いがどの程度になるのかもわかりません。それに今のところ対応ソフトはブルーレイオーディオ(映像なし)のクラシックが大半。
映画ソフトに関しては未だ「ゴースト・バスターズ」1本で、これはUHDブルーレイのみでの展開に流れそうな感じもしますから個人的にはまだビミョーです。。

とにかくソフトが出なきゃあですね。ここ次第でしょう。



追記
AVR-X6400Hの装備内容がフラッグシップのAVR-X7200WAに肉薄あるいは同等化?したことで、内心穏やかでない7200のオーナーさんがおられるかも知れません。

そこはフラッグシップのオーナーたる者、その物の価値、性能、立ち位置など吟味した上でお買上げのはずですよね。(笑)どっしり構えましょうよ。

Auro-3Dは有償アップデートの可能性も無きにしもあらず。
サラウンド再生に限って言うならばですね、適切な外部アンプを使って11ch化するならば、まだまだぜんぜんイケますよ。

え?後継機ですか?
7200の後継機はどうなるか・・11ch化か、あるいはセパレート化か。
もし、そうなったら45万円は超えますぜ。

個人的にはAuro-3Dを有償アップデートの線でまだ行って欲しい。というのが本音ですね。



AVR-X6400H DENON [デノン] AVアンプ ※9月下旬発売予定
AVR-X4400H DENON [デノン] AVアンプ ※9月下旬発売予定

 


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この記事へのコメント
お久しぶりです。

お恥ずかしながら最近のサラウンド技術には全くついていけてないのですが、
結局のところスピーカーを縦に(仮想的に)階層化して、本来音が出るべき
であろう位置から擬似的に発音させるという感じなんでしょうかね?

Auro-3Dって、スピーカーの物理的取付位置を重要視した割とアナログ的な
アプローチなのかな?って感じました。
Posted by ラッツ at 2017年09月03日 11:52
ラッツさん 
こんにちは。お久しぶりです!

さすが、おっしゃる通りです。
Auro-3Dはチャンネルベースサラウンドですから、正にその通りだと思いますね。


Posted by shu at 2017年09月03日 12:51
こんにちは。

先日、AVR-X6400Hを試聴する機会がありまして、メーカーの方に色々と
お話を伺ってきました。
Auro-3Dについては基本的にスピーカーレイアウトの制約を受けにくい
ところと、従来のアトモスやDTS-Xを超えるような空間表現を得意とする
との事でした。
確かにAuro-3Dで再生した場合、同じスピーカーなのに音抜けが格段に
よくなり、従来フォーマットでは閉塞的に感じてしまうようなサラウンド
空間でも開放的に変化するのが凄く印象的でした。

個人的には大半を占めるであろう従来のソフトをアップミックス再生した
場合、しっかりとその恩恵を受けるのか?という部分でしたが、同一音源
でDTS-Neural:XとAuro-3Dを聴き比べますと、空間の広さ、音の繋がり等
空間の表現力はAuro-3Dの圧勝といった感じです。
ただ、あくまでAVR-X6400H上での比較ですが、そろそろ新しいAVアンプも
試してみたくなってまして、Auro-3Dはかなり気になる存在になってしまい
ました。

それと、ハイトスピーカーの設置に関して注意点を教えてもらいましたが、
仰角35度(30度だったかな?)以下にして下さいとの事でした。
これは、人間の耳がある一定の角度を超えると、音を前から認識しなく
なるからだそうで、Auro-3Dがフロントスピーカーの真上に設置を推奨する
のはこの辺の理由かららしいです。
アトモスとの併用についてはフロントハイト、リアハイトがオススメだ
そうですが、実際のホーム環境では理論通りのレイアウトはなかなか難しい
ので、従来からの設置環境でそのまま使用しても充分効果は見込めるとの
事でした。
Posted by ラッツ at 2017年11月05日 13:47
ラッツさん 貴重な情報ありがとうございます。

まだまだソフトの展開が見えないので、その必要性が疑問というのが一般的な意見でしょうけど、アップミックスでNeural:Xに圧勝ですか・・そうですか。これは使えそうなんですね?
なら話は違ってきます。アトモス自体も鳴かず飛ばずな印象は相変わらずですからね。

仰角30°というのは頭上のトップスピーカーを設置する前提なら解りますが、それがない場合はトップスピーカーはファントム再生なので、むしろアトモス用のトップスピーカーを止めて、ハイト設置に変更するのも良いかも知れません。

ラッツさんなら次期フラッグシップの8000番台でしょうね。
こちらは7200のアップデートを期待してるのですが・・。
Posted by shu at 2017年11月05日 21:03
空間の表現力が優れているのは、雑誌等のレビューでも触れられているようでしたが、音の移動感の方はどうでしたか?
Posted by shu at 2017年11月05日 21:08
デモ機はフロントハイトとリアハイト(多分)でしたが、Auro-3D
の方が音抜け、粒立ちがよく、セパレーションに優れ、全域でより
自然な鳴り方をしているような印象でした。
Neural:Xだと設置されたスピーカーの中でしか空間が存在しないよ
うな感じですが、Auro-3Dはスピーカーの存在をあまり感じさせない
開放的な空間表現力を持っているようです。

恐らくNeural:Xでも空間表現は相当改善されているんだとは思いま
すが、AVR-X6400Hで切り替えて聴き比べると、やはりAuro-3Dはいい
なぁと思ってしまいます。
出来ることなら自分の環境で聴き比べてみたいところですが。

ちなみに次期モデルは13ch対応になるようですよ。
Posted by ラッツ at 2017年11月05日 22:43
音の移動感については注意して聴かなかったのですが、Neural:Xに劣っている
ような感じはなかったと思います。
とにかく開放的で自然なサラウンド空間に圧倒されてしまいました。
Posted by ラッツ at 2017年11月05日 22:51
開放的で自然なサラウンド空間ですか・・なるほど。
Neural:Xと切り替えてそれだけ違うのというのは、別物という感じを受けますね。それは一度聴いてみたいものです。

次期モデルは13ch対応・・内蔵アンプ11chに2ch外部アンプという仕様かも?

ありがとうございました。
Posted by shu at 2017年11月05日 23:22
ちなみにAVR-4311とX-7200では音の傾向はほぼ同じでしょうか?
Xシリーズになって開発責任者が替わり、基本回路から設計を見直したそうで、DACも
旭化成に変更になっている事もあって、サラウンド空間の表現力等、基本的な音質の
差が気になっています。

それとハイトスピーカーの再生についてなのですが、以前あったPLUzに変わるものが
Dolby Surroundになるのでしょうか?
最近、5.1chのDTS-HD音源を再生する場合、DTS-HD+PLUzの設定で観ているのですが、
X-7200ではDTS-HD+DolbySurroundもしくは+Neural:Xを選択出来るのでしょうか?
Posted by ラッツ at 2017年11月06日 22:54
AVR-4311とX-7200の音の傾向ですね。

間にパイオニアを挟んでしまったので詳細は忘れていますが、映画の第一印象で実体感のある効果音の違いは歴然でした。パワーに余裕があるようです。4311でもこれほど鮮烈な印象はありませんでした。

PLUzはもうありません。Dolby Surroundに置き換わっています。

DTS-HD+DolbySurroundの組合せと、DTS-HD+Neural:Xの両方が可能ですね。
ちなみにドルビーTrueHDとでも同様の組合せが可能です。
このDTSとドルビーの相互乗り入れはヤマハとデノン(たぶんマランツも)だけの機能です。

ちなみに映画ならNeural:Xの方が総じて好みです。
DolbySurroundの方は、空間の雰囲気が、ドラマや音楽向けな気がします。
Posted by shu at 2017年11月06日 23:32
なるほど、X-7200はかなり良さそうですねぇ。

はやりPLUzは不評だったんでしょうかね?
DTS-HD+PLUzにすると、前方の空間は開けますが、全体的に音が薄く
なってしまって実は未だに不満だったりします。
きっとNeural:XだとDTSの持つ音の密度はキープされたまま、更に上方
の空間が広がっていくような感じなんでしょうね。

実はアトモス以降のサラウンドフォーマットがイマイチよくわかって
いないのですが、Neural:XというのはPLUzと同じようにDTS-HDの5ch
にハイトスピーカーをプラスして鳴らすというものなのでしょうか?
それともサラウンド、ハイトという上下の括りではなく、アサイン
された全てのスピーカーを包括して空間を表現するというスタンス
なのでしょうか?
Posted by ラッツ at 2017年11月07日 20:17
Neural:XもDolbySurroundもPLIIzと同じ拡張サラウンドという括りになるかと思います。

実際の音を聞く限りは単純にハイト(トップ)スピーカーを足しただけではなく、フロアスピーカーの方にもそれなりの効果を付加(横の広がりとか)させてあるように思います。

>それともサラウンド、ハイトという上下の括りではなく、アサインされた全てのスピーカーを包括して空間を表現するというスタンスなのでしょうか?

それに近いと言えなくもないです。
ただこれを他の人が見ると、それはDTS:X(あるいはアトモス)の方のことだろうと突っ込む人がいるかも知れないです。(笑)
ニュアンスだけで書くと、揚げ足を取るオーディオ石頭の人にはうんざりです。
失礼、脱線しました。

ちなみに不思議なのですが、DTSはスピーカー配置(トップまたはハイトスピーカーの位置)を規定していないのです。まあ事実上はアトモスの配置を使うわけですが。
Posted by shu at 2017年11月07日 21:10
なるほど、そういう事なんですね。
ありがとうございます。

立て続けに質問してしまって大変申し訳ないのですが、最新のフォーマットでは
サラウンドスピーカーのフロア置きを推奨していますよね?
例えば自分のようにある程度高い位置にスピーカーを設置しているような従来型
9.1chレイアウト仕様の場合、フロントハイトのみをハイトスピーカーに定義して
リアは従来のサラウンド、サラウンドバックと割り振ってやれば、DolbySurround
もNeural:Xもどちらも使用可能なのでしょうか?
もしかしてアトモス(ファントム再生?)も大丈夫なんでしょうかね?
Posted by ラッツ at 2017年11月07日 23:03
4311の世代まではサラウンドスピーカーは耳より上60センチというのが取説にもありましたね。
しかし今はフロアとハイト、トップの住み分けがはっきり示されています。

9.1chからの対応ですと7.1.2ch配置ということになりますが、トップまたはハイトの2本をどこにするのが良いか?当初は雑誌等でも検証記事になっていました。

0.2ch分はフロントハイトの位置でも再生自体は可能です。しかしちょっと空間生成にはやや無理がありそうですから、お勧めは天井4本の5.1.4chです。
移動感が違います。上の4本もちゃんと前後左右に独立して鳴るからです。

こちらのサイトを御覧ください。
http://jp.pioneer-audiovisual.com/components/tech_file/dolby_atmos/
パイオニアのものですが、参考になるはずですよ。
Posted by shu at 2017年11月07日 23:29
明日、高い位置のサラウンドスピーカーとの関係についてもう少し補足しますね。
Posted by shu at 2017年11月07日 23:38
いろいろとありがとうございます。

パイオニアのサイト、とても参考になりました。
アトモスも設置に関してはある程度の柔軟性はあるんですね。
まあ、この辺はアンプによっても違うんでしょうけど、天井スピーカーは
一度試してみたいですね。

次の記事、楽しみにしています!
Posted by ラッツ at 2017年11月08日 00:31
サラウンドSPが上のままだとどうなるか?

任意の空間にSEを定位させるためには、サラウンドSPとトップSPとの間でファントムを生成させるということです。
なので、サラウンドSPは下に有るべきなんですね。

僕ならサラウンドバックSPをリアハイトに接続、サラウンドSPは下に降ろしたいです。
都合5.1.4chです。ご検討ください。
Posted by shu at 2017年11月08日 07:06
なるほど、そういう理由なんですね。
従来のサラウンドフォーマットよりもフロアスピーカーとハイト(プレゼンス)
スピーカーの役割分担を明確にして、それぞれを積極的に鳴らしてやろうという
感じなんでしょうかね?

アンプはもうしばらく様子を見ようと思いますが、現状サラウンドスピーカー
が鳴らしきれていない気がしていますので、新フォーマットの導入を見据えた
上で再度追い込んでみようかと思っています。

ここ数年、ホームシアターのモチベーションが下がっていましたが、たまたま
X6400を聴いたのが切欠で何だかまたやる気が出てきました。(笑)
Posted by ラッツ at 2017年11月08日 23:32
そうですね、結果として部屋全体を鳴らすということです。

アンプの様子見、年明けの2月くらいには旗艦機が出て来そうな気がします。
Posted by shu at 2017年11月09日 07:17
情報ありがとうございます。
年明け早々ですか!
あとは価格ですが、マランツの新型から察するに定価ベースで40万超えですか?(汗)
X7200のアップデート対応はないんでしょうかね?
Posted by ラッツ at 2017年11月09日 20:53
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