2016年08月16日

AVアンプの聴感補正機能は不要なのか?「Dynamic Volume」編

ここのところ、音量に関連する記事を書いているわけですが、大音量も「経験による慣れ」だというように思います。住環境などの問題が無ければ、機器のグレードと比例して音量も出せてしまいますから。

最近いただいたコメントなどから察しますに『うちではそこまで出ていないよ』と、おっしゃられても実測値はそこそこの大音量が出ているようです。

こういう形のホームシアター実践者の中でも拙宅は「小音量派」の方に属するはずで、案外少数派なのかも知れません。

・・あえて小音量派の人に向けて前回の続き、今回は「Dynamic Volume」についての考察です。

「Dynamic Volume」の効果としては「小さな音は明瞭に、急に出る大きな音は小さく抑え深夜の視聴などに便利」とあります。

・具体的にはどう聴こえるのか?
Dynamic VolumeをONしますと、最大音量は変わらずに小さい音の方が聴こえやすくなる感じです。
前回書いた「Dynamic EQ」の効果で乗った音量に、さらに上乗せで音量が上がります。
それによってさらに情報量が増える印象があり、視聴位置後方の埋もれた効果音もリアルに聴こえます。

量感が乗るということは低音も増えますので、音楽ものではやや音のキレ、シャープさは薄れます。

・ステレオ収録のドラマをDolby SurroundやDTS:X等で視聴する場合。
元々レンジが知れていますから、ボリュームを上げてもうるさくなってしまいます。
ですから補正機能ONの状態で、セリフの大きさとサラウンドの音場感、量感のちょうど良い再生音量というのが個人的にはあります。
それが前回も書いた-30dB程度なのです。

・深夜の視聴だけに限った機能なのか?
ちょうど深夜、リオの女子マラソンの中継がありました。こちらで試した結果です。
ボリューム位置を-38dBとした場合に、Dynamic Volume ONで最も補正量が多い「Heavy」を選択し、ダイナミックレンジを抑えた場合の様子は以下の通りです。

オーディシーには2つの補正項目がありますが、「小音量」の範囲では両方を使用します。

・Dynamic EQとDynamic Volume両方をON ・・音量Max49dB 平均40dB
  中継アナウンスは明瞭、周囲の環境音など情報量が一番多い。
  小音量で使うならこれがやはり妥当でしょう。
  
・Dynamic EQのみON Dynamic VolumeをOFF ・・音量Max34dB 平均27dB
  全体の情報量が落ちます。アナウンスの聴こえやすさに影響は無し。

・Dynamic EQをOFF Dynamic VolumeのみON ・・・音量Max50dB 平均37dB
   最大音量は変わらずに平均の音量が下がります。

3つのケースともアナウンスは良く通ります。音量も静か過ぎではありません。
本当に音量を抑えたければ、2つの機能共OFFにした方が、TVスピーカーののような痩せた音になりますから、これがもっとも効果的ではあります。

小音量でDynamic Volumeを使用するのは、より積極的な視聴をしたい場合かと思います。


もっと突っ込んで色々と調べて見ましたが、以下数値の羅列です。
デノンとマランツのみ採用のオーディシーの機能という、ローカルねたであり、需要自体もわかりません。
説明は最小限にして結果を掲示しますので、内容の読解は必要な人ご自身でしてていただければと思います。

まず「Dynamic Volume」は、どの様に機能するのか?
「Dynamic EQ」との併用時も含めて各スピーカーの音量レベルがどうなるか測定しました。

160816-1.jpg

Dynamic Volume ONには、その効果の大きい方から「Heavy」と「Medium」「Light」があります。
「Light」がその調整量が一番少ないモードです。
「Medium」の数値は「Light」と同時だったので割愛してあります。

サブウーファーを除く各スピーカーのデフォルトの設定音量は前回の記事に載せた通りで、38dBくらいです。
前回触れた、Dynamic EQの「演出」が気になるようでしたら、OFFを選ぶとDynamic VolumeをONにしても、各スピーカーの音量レベルはほぼフラット、同一になります。


このあたりでまた次回・・と、したいところでした。
いずれ読むのを挫折していらっしゃる方には、この辺が離脱のタイミングでしょうから。(笑)


しかし、今日は連休最後。続けてしまいます。


次にソフトを再生した状態での再生音量を測りました。

160816-2.jpg

ボリューム-27dBで「Dynamic EQ」をON、「Dynamic Volume」を「Light」でONにした状態(赤枠)で、サラウンドの音場感、量感、解像度の印象を良好と感じました。

では、この最大73dB、平均54dB・・この条件を補正を掛けずに出すには単純にボリュームを上げるとことでしょう。

これを試したところ、-20dBまで上げるとおおよそ同等の数値になりました。

この-20dBというのボリューム位置で、それぞれの組み合せの再生を試し、聴感上の音質に順位を付けたのが下の表です。

視聴対象のソフトはドルビーアトモスのデモディスクにある「Audio sphere」です。
これはエレクトリカルサウンドものなので、音質の違いは映画よりもわかりやすいのです。

160816-3.jpg

Dynamic EQとDynamic VolumeをONにすると、低音が乗ってやや音がくぐもる傾向があります。
この部分を突いて音が悪くなると言うのでしょう。
音楽ものの場合には、両補正をOFFのままボリュームを上げた方が音の輪郭はシャープですが、サラウンドの音場感と量感はもう1つ。なのでDynamic EQのみをONにした状態を順位1としてあります。

それと「ガルパン劇場版」でも同様に試しました。
この作品に対するホームシアター実践者目線からの知見は、評論家の鳥居一豊さんの記事に詳しく解説されている通りで、ダイナミックレンジが非常に大きいソフトです。

とにかく、その再生音量は相当の大きさでないと、初見では意外と全体におとなしい印象を持ってしまいます。
実のところ僕は、ガルパン劇場版BDには最初から萌え、いや燃えませんでした。

この「ガルパン劇場版」を-27dBで再生しますと、他のソフトに比べてセリフ他通常シーンの音が小さく感じ、砲撃戦以外のシーンでは物足りなく感じます。これをDynamic VolumeをONで持ち上げることが出来るのですが、弊害もあります。
それは戦闘中のセリフに効果が被って、不自然に小さくなるシーンがあることです。

ならば、
ことさら小音量でも無ければ、大音量とも言えないような音量を常用する拙宅のようなケースで、音質をさらに重視するにはどうするか?

「ボリュームを現状の-27dBから-7、8dB 程度上げて、Dynamic VolumeのみOFF、Dynamic EQは好みで」というのが妥当かと思われます。これでも最大音量は73dB程度です。

さらにセンシャラウンドを追求するならば-10dB台まで上げ、最大音量80dBオーバーを狙うことですが、-20dBを切った辺りでDynamic VolumeをONすると、瞬発的な音の出だしを抑えてしまい、例えばカール自走臼砲の発射シーンの迫力を削いでしまいます。
やはりこの音量レベルになりますと、補正機能は必要でなくなるようです。


色々と測定と試聴をしましたが、どうやら80dBを超える音量を常用する人には、AVアンプの補正機能は、必要が無さそうです。

ざっくり言うと、ボリュームが-20dB以上(拙宅での音量は73dB以上)辺り、人によってはもう少し下から必要無しと判断される対象になるだろうと思われます。

そしてその対象者は意外と多い様子ですから、聴感補正機能が今まで取り上げられなかったのも解るような気がしますね。

もっともオーディシーのオートセットアップの最後には、2つの補正機能をONするかどうか聞いて来るわけです。
実際皆さん、どうされていますかね。

え?ON、OFFどちらになっているか知らない?
案外そういう人もいらっしゃいませんか。(笑)



次、つぎはまだ考えてありません・・少し間が開くかも知れません。




プロジェクターの次期買い換え候補(仮想です)は、やはり液晶式が現実的なようです。


 

posted by shu at 12:45 | Comment(4) | TrackBack(0) | AVアンプの機能、操作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
私が初めてPJを買うとしたらTW8300ですね。4Kで細かな使用制限はあるようですが
基本的に機能全部込みの超お買い得品ですね。これは売れると思います。

今、お持ちのPJから変えると、ガルパンなんかは恐ろしく綺麗に映ると思いますよ。
X7200WAに見合うPJだと思います。
Posted by ふえやっこだい at 2016年08月25日 10:47
確かに現在所有のPJは2009年製ですから、それは変わるでしょうね。

ただ、液晶式は過去にホコリの問題があり、散々悩まされた経験から、次は液晶式は無いと思っていました。
しかし他の先行4Kモデルの価格帯は現実味がありません。

エプソンの前モデルは、あえての買い替え候補にはなりませんでしたが、4K対応となると現実的に唯一の存在ではあります。

他に液晶式の競合先が無いのは寂しいですが。

Posted by shu at 2016年08月25日 20:47
非常にわかりやすい解説でためになりました
オーディシーのこの機能、説明書の解説が分かりにくくてずっと適当に使ってました
この記事を参考にして設定しなおしてみます
Posted by 村人 at 2017年02月01日 02:29
村人さん こんにちは。

わざわざありがとうございます。
お役に立てて良かったです。
Posted by shu at 2017年02月01日 10:08
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