2016年06月21日

イマーシブ・オーディオ? その3

先般リリースされた国内初のDTS:Xソフトと、ドルビーアトモス収録ソフトの多くはリミックスなのか?という邪推による独り言を書いています。

いつの間にか、天井にスピーカーを配置するサラウンドフォーマットを、チャンネルベースのAuro-3Dまでを含め、イマーシブ(没入型だったかな?)オーディオと呼ぶようになっています。

むしろオブジェクトベースでは無い、リミックスまでも内包する意味だと捉えると分かりやすくなる(と言うか誤魔化しが効く)のでは・・と個人的には思っています。

ところで・・

ドルビーアトモス収録のBDソフトの中には当然、エンドロールに「DOLBY ATMOS」のロゴが表示された作品が有るわけです。(今のところ割合としたら少ない?)
これらについてはもちろん、空間にオブジェクト感がある本物のアトモスなのか?

160620-1.jpgAVR-X7200WAではこんなふうに、ドルビーアトモスとTrueHDとを選択して再生する事が出来ます。

これで通常の5.1ch(または7.1ch)との聴こえ方の違いが比べられます。
空間に定位、あるいは移動するオブジェクトが認識出来るかどうかなのです。

以下が手持ちの当該ソフトなのですが、空間オブジェクトの有無に関しての確信度合いを付けてみました。

「ネイチャー」・・後述します。
「トランセンデンス」・・たぶん◯
「トランスフォーマー/ロストエイジ」・・おそらく◯
「マッドマックス 怒りのデス・ロード 」・・ほぼ◯
「エベレスト」・・雰囲気はあるが、明確には判らずで△

何ともあやふやな評価になっていますが、実際にそのように感じます。
あえて、アトモスらしい効果が聴けるのは「マッドマックス」の冒頭、マックスの声です。
この声がニュートラルな位置(視聴位置)に定位するからです。

他のソフトには確かに、空間密度が高いシーンがあります。しかし、空間のオブジェクトの有無については断定し難いと言うか、良くわからないというのが本音です。

たとえば「エベレスト」での地吹雪の音。これがリアルに体の周りをかすめるので、これがオブジェクトか?と思い、TrueHD(7.1ch)に切り替えますと、そちらのチャンネルベースで、既にほぼ同様に聴こえるわけです。なのでこれはオブジェクトでは無いのだろうと。

・・結局、ほとんどの映画ソフトには、明確な空間のオブジェクトは無いか、感じ難いのか?
以前から書いてきた通り、あまり過度な期待は持たない方が(僕だけでしょうけど)良いかと。

しかし、天井スピーカーのある環境ならば、リミックスのように思われるソフトでも、高さ方向への雰囲気が足されて上方に空間が広がり、空間密度も上がる効果があります。
その表現力はドルビーTrueHDの7.1chに劣っている事は無いです。
それだけでも、天井にスピーカーを取付ける価値は有るものです。

それはDTS:Xでも同様でした。
天井スピーカーを無しにして、「クリムゾン・ピーク」を7.1chのDTS:Xで再生してみたのです。
DTS:Xに関しては、皆さん期待の「天井スピーカー無し環境」でも、聴き比べないと判らないほどに雰囲気は似ています。
しかし、上方の空間表現が希薄なことは、単純に音源の有る無しの結果として出てしまっていました。

最後に・・
実は・・実はですね、今回AVR-X7200WAで過去のソフトを観直しする中で、デモ並にオブジェクトを認識出来る作品、シーンがありました。

・・それはなんと、あの「ネイチャー」だったのです。

その効果が明瞭なシーンは、「海のチャプター」の頭上に被る波のシーン。
「滝壺のチャプター」の、これも水しぶきが掛り、転覆した後の水中の感じ。
どちらも水が絡んでいますが、オブジェクト感が解りやすいシーンで、確信度合いは◎です。

しかし・・まるで旧作「猿の惑星」のラストシーン。
あるはずのない「自由の女神像」に遭遇したような気分です。

過去の関連記事を読まれて来たリピーターさんは、ひっくり返るかも知れません。

「言っていることが違う」と。

そもそも上から3つ、アトモスのスタート初期のソフトは、天井スピーカーが鳴ってる時間が少ないイコール、アトモス効果が薄いと考えていたソフトでした。

それが、AVアンプをAVR-X7200WAに交換し、7.2.4ch環境が整ったことで評価が変わって来ました。
AVR-X7200WAの自力であるところの、密度の高い空間表現がそのようにさせたのか?正直自身も困惑しています。

振り返ると、イマーシブ、いや、オブジェクトベースサラウンドを正しく再生するのは簡単では無いと感じます。

まず、正しいスピーカー配置と設定は必要です。
そして出来れば「見本」(デモディスク)を試聴して「耳」を作ることも必要かも知れません。

「・・そんなシビアな話では無いだろう」と思われましたら、前回の記事冒頭にも書きました通り、スルーをしてください。


「ターミネーター:新起動/ジェニシス」の冒頭、パラマウントの「星」の移動はオブジェクトなので、オブジェクトとはなんぞや?の見本となり得ます。

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この記事へのコメント
昨日、エベレスト見ました。音が四方から聞こえてそれはそれで満足なのですが
空間を音が移動するatmosかというと、?な感じでしたね。

プレゼンススピーカー(yamahaNS-B310)が貧弱なせいもあると思うので、いつか
変えたいと思います。
Posted by ふえやっこだい at 2016年06月25日 12:35
ふえやっこだいさん こんにちは。

そのようにお感じでしたか。
個人的にはちょっと安心しました。と言ったらおかしいですが、なにか疑心暗鬼になりそうでしたので。

天井のスピーカーが鳴らないと効果が薄いと思っていましたが、よく鳴る作品はむしろリミックスの場合が多いのかなと考えています。

ちなみに「クリムゾン・ピーク」の日本語音声を選んでNeural:Xで再生すると、DTS:X(英語音声)と、ほとんど同じように聴けたりします。

プレゼンス(天井)スピーカーの情報量はあった方が良いでしょうけど、表現力に劣るだけで効果そのものは解るのではないでしょうか。ケンブリッジの小さいのを吊っている人もいますから。
Posted by shu at 2016年06月25日 14:38
CX-A5100の試聴会でヤマハさんが、トップスピーカーも50Hz程度出た方が良いと言ってました。
でないと、プレゼンスから出るべき低音が床のサブウーファーから出されるのでATMOSの効果が薄れるとの事でした。

雷の「ピカ」の後の「ドドーン」も上からなった方が良いのでしょうか。低音はあまり指向性がないので上下関係ないと思っていたのですが、専門家が言うとそうかなと思ってしまいます。

50Hz出るスピーカーは限られており、大きく重くなります。もしやるなら天井に釣るのではなくHIVIの記事にあったように、ツッパリポールに板をつけて載せようと思っています。地震対策はホームセンターにある固定バンドですね。
Posted by ふえやっこだい at 2016年06月25日 14:54
50Hzですか。

空間に音を結ぶという理屈ならば、上からの50Hzというのも必要ということでしょうか。
今後の課題ですね。

Posted by shu at 2016年06月25日 16:41
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