2015年11月30日

アトモス再生のキモ。 その2

前回、アトモス再生のキモは「前後スピーカーの音量バランス」だと書きました。

もっと言えば、全ての隣り合うスピーカーのバランスも同様なわけです。
ですが経験上、前後の音量バランスというのがオートセットアップの設定値(サラウンドSPの音量)と、実際の聴感で異なる場合が有りがちだった。という認識から来ています。

それと、「天井スピーカーなくして、オブジェクトの生成は成し得ない」とも書きました。
その根拠とは?(良く考えれば解ることでしたが)

・・そもそもオブジェクト生成の仕組みはどうなっているのか

今更ながら、それを確認できたのは某社のチェックディスクを知るA氏からの情報からです。

以下、イメージにしてみました。

151122-1.jpgこれはSC-LX78のコントロールアプリのタブレット画面上に加工をしたものです。

配置は5.1.4ch。フロアスピーカーと天井スピーカーの間の空間を示す赤線の枠はイコール、オブジェクトの生成範囲になります。つまりはサラウンド音場です。

従来の5.1chの場合は、底辺の枠から成る平面的な再生であった訳です。
(良いスピーカーなら「高さ」が出せるという話とは別です)

オブジェクトを任意の位置に生成する場合、どのスピーカーがどのように役目を担うのか?
いくつかのパターンを見てみます。

塗りつぶしの丸がオブジェクトで、丸印はその生成時に鳴るスピーカーです。

151122-3.jpg例1 TFL(トップフロント左)とTRL(トップリア左)の中間のオブジェクトの場合。

2本の天井スピーカーの音量が同じなら、中央に定位します。

151122-2.jpg例2 同様に、FL(フロント左)とSL(サラウンド左)の中間のオブジェクトの場合。

これと例1は、高さに違いがあるだけであり、前後(Y軸方向)の位置は2本のスピーカーの音量で変わります。

151122-9.jpg例3 では、上下(Z軸方向)の位置にオブジェクトを生成する場合で、TRLとSLの中間の高さにあるオブジェクトの場合。

これは上下2本のスピーカーの音量で、その高さの定位が変わります。

以上はいずれも、2本の隣り合うスピーカーのみで生成される「ファントム」がオブジェクトになることを示しています。

ここまでで、キモはバランスだと言った意味がお分かりかと思います。

前後位置(Y軸方向)と上下位置(Z軸方向)への定位が出ましたが、いずれも赤枠の外壁に沿った位置への定位であり、聴かせ方としてはサラウンド音場の外縁で「遠め」の位置のオブジェクトということになります。

では、例3の位置から右方向に(X軸方向)オブジェクトを移動して赤枠の内側の任意の空間に定位させるという場合はどうでしょう。

151122-5.jpg例4 オブジェクトが例3の、TRLとSLの中間から離れて、視聴位置のやや後方左寄りの位置に生成される場合。

このケースでは、5本のスピーカーが鳴りますが、SR(サラウンド右)とTRR(トップリア右)の音量は小さく鳴ります。
FL(フロント左)は前方向への牽引役でしょうか。

151122-8.jpg例5 さらには視聴者の「近め」で左横の空間に生成をする場合です。

TFLとTRL、それにFLとSLが鳴り、SRは音量は小さく鳴りますが、右後ろ方向への牽引役でしょう。

以上の様に、フロアと天井の全てのスピーカーが微妙にバランスを取って鳴ることで、上下左右任意の空間にオブジェクトを定位させるよう出来るという訳なのです。

当然、フロア設置のスピーカー5chだけでは、高さのあるZ軸方向へのオブジェクトを生成出来ない事も解ります。
それと天井スピーカーはやはり、4本がベターということになりますね。
2本ですとおかしな表現ですが、前後方向がモノラルになるとでも言いますか。

また話を戻しますが、音量バランスが重要なのも理解出来る話でしょう。

そこで、前後のスピーカーバランスの確認と調整の方法です。
僕はAVアンプの「ザー」というテストトーンでマニュアル設定出来る人はすごいと思います。
やはり何らかのチェックソフトは必要です。

しかし、前回紹介した「HiViCAST」のようなチェックソフトが無い場合はどうするか?
もっとも、これでも天井スピーカーは鳴らせませんし。

最近のAVアンプはほぼ、「オールチャンネルステレオ」というような再生モードを備えているはずです。
これを使って出来ないことは無いと思います。

方法としては、2chの音楽ソフトを再生し、音量調整をする隣り合ったスピーカーを除いて、他をミュートするのです。
パイオニア製AVアンプの場合、上に載せたコントロールアプリの画像が音量調整画面で、各スピーカーを個別にミュートが容易になります。


・・さて、この年末年始に向けて話題沸騰の「DTS:X」は、5.1chでも確か2chでもオブジェクトベースサラウンドが再生可能だと言われていますかね。
これを勘違いから期待されている向きがあるようです。

くどいようですが、5.1chでは高さ表現をするオブジェクトは生成出来ないはずですね。


しかし、ドルビーアトモスに特化した、何らかのチェックソフトや、ドルビーのデモソフトは欲しいものですねえ。


)この記事の内容は、個人の体験を通した解釈によるものですから、細部についての整合性は関知出来ませんのであしからず。


「ゼロ・グラビティ」のISSの火災のシーンがイマイチならば、バランス調整の必要ありです。

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この記事へのコメント
Posted by 愛読者♪ at 2015年12月06日 00:06
愛読者♪さん、恐縮です。
情報ありがとうございます。

落札価格が、16,672円プラス国際送料・・。

デモの一部ですが、視聴することで良いように免疫が出来ます。(笑)

そういう意味で、一度はデモを聴いておくべきかと思いますが・・これだと微妙ですし、なんだかしゃくですね。

Posted by shu at 2015年12月06日 16:27
shuさん
今晩は、今月からアトモス導入しました。
色々イベント等でアトモス視聴しましたがオブジェクトの良さが分からず1年遅れです。
AVアンプはパイオニアLX59で完全プリ使用です。
まずパイオニアの自動音場補整ですが、アンプの最大音量0dBで計測します。
自分は高能率業務スピーカーを使用してますので、自動音場補整で視聴した時に余りの小さい音に驚きました。
以前からダビングスタジオレベルの音量で視聴してましたからです。
これ位が良さそうだと感じたのが-3dBでした終いには0dBまで上げましたが(笑)
自動音場補整は大音量派に使い物にならないのでマニアルで音圧レベルを調整すると
パイオニアの自動音場補整の仕方?天井スピーカーの音圧レベルが小さい事が分かりました。
全チャンネルに対してです。
まず天井スピーカーの音が小さいのがアトモス効果が余り感じられ無かったのが原因かと導入して分かりました。
自分は全チャンネルにDEQ2496デジタルイコライザーを接続してます。各チャンネルの出力レベル出力周波数帯域を全て分かります。
アトモスのオブジェクトはフロント以外のスピーカーで作らてます。
最大出力レベル
Posted by HD105cinema at 2015年12月07日 00:03
shuさん
途中ですみませんでした。
スマホからだと変換文字と書き込むボタンが同上なので押してしまったようです。

続き
スピーカー最大出力レベル(フロント以外)は殆ど同じで出力周波数帯域も同じです。
要するにサラウンドスピーカー全体で作られてます。
天井から音が聴こえ無い?聴こえるレベルまで全体の音量が大きくさせる必要が有ります。
自分の視聴音量だと一般的に爆音に近いかも知れませんがそれ位出すと天井スピーカーが微妙に出してる音とサラウンドスピーカーの音でオブジェクトが作られます。
天井スピーカーが全く鳴ら無い時は台詞がメインのシーン位でサラウンドスピーカーが効果音として鳴っている場合は微妙でも天井スピーカーから出力されてます。
イコライザーで確認しました、全体音量不足だと天井は鳴って無いと感じるのです。
サラウンドスピーカーと天井スピーカーの音量が同じになのかパイオニアでは同じでは有りません。他のメーカーは分かりませんがアトモスオブジェクトベースサウンドが色々イベントでイマイチだったのは天井スピーカーの音量不足だと思いました。
全チャンネル7.1.4ch(LFE+4dB)同じ音量で無いとオブジェクトベースは機能しません。
自分の計測方法はマイクにPCリアルタイムアナライザーで全チャンネルをパワーアンプのゲインレベルで同音圧レベル調整してます。更にデジタルイコライザーを使い周波数帯域を31バンド+-0.2dB位内フラットにしてます視聴位置でフロント3ch50Hz63Hzにデップが有ります。
全chが殆ど同じ音色です。
AVアンプでは調整しませんので出力レベルは全て0dBです。

ところでゼログラビティの火災シーンがイマイチの方はバランスがと有りますがサウンドスクリーンを使用しているなら分かりますがセンターフロント左右がスクリーン中心より下に有りますので音像が下になります。
映画の音作りはサウンドスクリーン画面の中にスピーカーが有る事を前提に作られています。
shuさんのスピーカー位置では正しい音像定位はできないはずですが何か根拠は有るのでしょうか。
自分はサウンドスクリーン以外で画面から音がする経験はどんな高額なシステムでも有りませんと断言します。
皆さん勘違いしているのが2chオーディオの延長に映画音響が有ると思われてる事です。
視聴位置の耳の高さにスピーカーを合わせるのでは無くスクリーンに映る顔にスピーカーの位置を合わせないと正しい音像定位がでません。
shuさんの仰るバランスとは映画音響では無く映像が無い2chオーディオのバランスだと思いますが。




長文失礼しました。
Posted by HD105cinema at 2015年12月07日 02:00
HD105cinemaさん、ご意見ありがとうございます。

パイオニアのAVアンプだけ天井スピーカーの音が小さいらしいというのは試聴会のコメントを上げていただいた事もあります。やはりそのようですか。
ただ、理由がわかりませんね。
それと再生環境が自分とはかけ離れています。すみません想像し難いです。

ゼロ・グラビティとバランス云々の事です。
拙宅のスピーカー位置では正しい音像定位はできないはずということですが・・

あのー、ホームシアターというのは大体このようなものではないでしょうか?

それを言われましたら、センターSPは画面の下で、なおかつフロントSPは画面から離れています。
この状況でセンターのセリフは画像に引っ張り上げられて画面から聴こえるように感じてしまっています。
フロントSPも同様に、画面の外で鳴っているのにも関わらず、画面の中の音だと認識しています。
この感覚がおかしいとおっしゃるのなら、ご質問への答えはありません。

そもそも正しい音像定位とは何でしょうか。
それに画面の外のSEの定位はどうあるべきですか。

従来の5.1chでも、鳥の鳴き声や飛行機の音は上から聴こえるように感じ、水の流れる音は下から聴こえるように感じるわけです。(僕はそうです)

そういう意味では、
>映画音響では無く映像が無い2chオーディオのバランスだと思いますが。
そういう考えとは違います。映像が介在しています。

>皆さん勘違いしているのが2chオーディオの延長に映画音響が有ると思われてる事です。
ここには同意できせん。
これは勘違いではなく、隣り合ったスピーカーの音量調整、2chの手法を取ることが自然であり必要だと考えています。
そして、聴こえる音は上に書いたように映像に引っ張られます。それ込みでサラウンドだと認識しています。

おっしゃるような、「正しくない音像配置」を元にバランス調整するとはどういう事で、それの根拠が何かということですね。

それを数値にして提示でき、説明し得る手段、方法、機材とアタマを持ち合せておりません。

拙宅では基本AVアンプの機能上とチェックディスクで完結出来る事しかやっていません。
今回の場合は自身の聴感に合わせて、サラウンドSPの調整をしただけです。
天井SPに関しては専用のチェックソフトが出るのを願っています。

現状は、出てきた音を個人の感性に合うように聴感で調整したものが全てです。

ここを他の人も見ているかと思います。
はっきり言っておきますが、僕は大したことをやっている訳ではありません。
長嶋茂雄さんと同じです。
「バッと打って、バッと捕って、バッと投げる」
そういう直感的な感覚で今までやって来ましたし、これからもそうします。
所詮その程度のブログです。
疑念があればそれなりの見方をして、参考にはしないで下さい。


HD105cinemaさん
ご自身が断言をし、確信していることに対して僕が意見をしても受け入れられることは無いと思います。
なので、上の件を議論するつもりはありませんし、希望しません。
これ以上はご容赦願います。


Posted by shu at 2015年12月07日 21:56
先日、マランツの試聴会でマランツのスタッフが「レベルが上がると
HIFIとサラウンド再生は同じになる」と言っておりました。

2chの技術を極めると、それだけでマルチサラウンドの3次元の音場形成は
十分可能であると言う主張のようです。

これはマランツのプライドから、ヤマハのシネマDSPのような人工的な
処理よりも、ストレートを極めた方が自然になると言う事を言いたかった
のだと思います。

個人的にはマランツの意見に同調しながらも、映画で言うCGのような
人工処理の楽しさも音楽にあって良いとは思います。

アトモスデモで、リーフが回るシーンがありますが、回転する半径は
シネマDSPの方が倍くらい大きいですが、その分、音は弱く細いです。
正確な音場か作られた広い音像と言うところでしょうか。

ただセールス的にはヤマハのCX-A5100がAV8802を圧倒しているようです。

映画に没頭すると、スクリーン下から出ているセリフが映像の人物から
聞こえる錯覚に陥りますし、結果オーライで良いと思います。

特にshuさんのセンタースピーカーは高めにセッティングされているので
特に違和感はないでしょうね。
Posted by ふえやっこだい at 2015年12月08日 13:05
ふえやっこだいさん、いつもありがとうございます。

センタースピーカーは投射画面ぎりぎりの高さにあります。
画面を見ている限りは問題ありませんが、スピーカー自体を見つめると音はそこから出ているのが解ってしまいます。そんなものですね。

>アトモスデモで、リーフが回るシーンがありますが、回転する半径は
シネマDSPの方が倍くらい大きいですが、その分、音は弱く細いです。

そう、そのような感じでしょうね。良く解ります。
イメージを文章にするのがお上手ですね。いつもそう思います。




Posted by shu at 2015年12月08日 21:12
こんばんは!

ふえやっこだいさんの書かれている件で一言、
書かせてください!!

>先日、マランツの試聴会でマランツのスタッフが「レベルが上がると
HIFIとサラウンド再生は同じになる」と言っておりました。

2chの技術を極めると、それだけでマルチサラウンドの3次元の音場形成は
十分可能であると言う主張のようです。


今年、2Hさんという2chのシステムを構築されている方の
お宅で聞いた音は、まさしく「それ」でした。
正直、本当にビックリしましたので・・

ぽにょの海底のシーンなんて2本のスピーカーから鳴ってると
思えないくらいの臨場感でした。実は自宅で鳴らすのが
怖くて聞けてません(笑)

コメントを読んでいて思い出したので
ご報告させていただきました!(^.^)
Posted by take51 at 2015年12月10日 19:37
take51さん、こんばんは。

なるほど、そんなでしたか。2chピュアオーディオの人が目指すは、そういうところなのでしょうか。

逆にサラウンドをぱったり止めて、2chに行く人もあると言いますね。
ごちゃごちゃしすぎて来たら、全部放り出してシンプルに行っちゃうとか。

そういう衝動ってのも分からんでも無いのですけど・・。
でも、僕は無いですよ多分。いろいろと、いじくる方が好きなのでですね。

Posted by shu at 2015年12月10日 21:48
毎日必ず表も裏も更新を楽しみに読ませて頂いています。
未だ5.1chの私ですが今回の各chのバランスが重要と言う事で何時もはスマホの騒音計アプリで取っていたバランスを自分の耳で取り直してみましたが大いなるジレンマに陥りました。
私は右目と左目の視力にかなり差があるのですが今回耳も左右によって聞こえ方にかなり差が有る事に気がつきました。(仕事柄多くの人が右目と左目で色が異なって見えることは知っていましたが耳も同じではないと気がつきました。)
視力の弱い右目と同様右耳は高音の聞こえ方、感度其のものが低い事が判りました。
この状態で時計回りにバランスを取って行くと常に右の音を高くするのでぐるりと一周するとフロントでは又同じように右が低くなり何時までたってもバランスが取れないじれんまに陥りました。
そこでよくよく考えた結果フロントを合わせた次はフロントLとサラウンドRを使ってバランス取り。
次はフロントLを使ってバランス取り、最後は後ろを向いたままサラウンドのL,Rの確認をする。
こうすることで左右の耳の感度差の影響をあまり受けずにバランスが取れる事がわかりました。
しかしながら更に考えていくと私には右側の音場と左側の音場の大きさに差が有る為例えば車が左から右に抜けていく場合ドップラー効果よろしく近づいて来る時は高音気味に、離れて行くときは低音気味に。
そしてゆっくり近づき早く遠のいてしまうことが判りましたがこれは成す術がありません。

来年にはSC-LX59を購入する予定ですが、左右の耳感度差まで補正出来れば良いなと思っています。
shuさんの真似をしてHPにatmosを構築する為の設計図を記載してみました。

現在は天井SPの設置工事準備と、なかなかアイデアが出ない遮光、迷光対策に頭を捻っています。
Posted by Cafe Tom at 2015年12月16日 05:41
Cafe Tomさん、こんばんは。いつもありがとうございます。

左右の聴感の違いですね。そういうのは拙宅でもあります。
例えば、右サラウンド音場の響きが左よりもやや大きいです。
低音は右側が強く鳴る傾向がありますが、オーディオチェックCDで低域が強いのはむしろ左の方なのですが・・。
また、リアのセンター定位は左に寄るという傾向もあります。

部屋の環境によるものだったり、個人の耳の感度によるものかも知れませんが、そもそも左右全く同じように聴こえるというのは無理があるようです。
スピーカーの左右、部屋の左右、耳の形?感度?この条件がまったく同等にならないという事がその根拠です。(だそうです)

また、後ろ側にあるスピーカーの音量もAVアンプの設定値とは異なる傾向があって記事に書いた通りです。
このあたりは他にも認識されている方がいらっしゃるようです。

HPを拝見しました。
出窓の遮光は確かに厳しいですね・・。
アトモス導入に向けて着々と進んでいるご様子、LX59も評価が良いようですので楽しみですね。
ご健闘をお祈りしています。
Posted by shu at 2015年12月16日 23:58
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