そもそも、そうした「幅」がある中でどこを狙うのか・・。
その範囲の意味合いとして、遠い方はフロントハイト、リアハイトスピーカーの位置までを含むものと考えます。
反対に近い方は当然、これ以下だと効果的では無くなる境界と見ます。
範囲の指定があるケースにおいてはおおよそ、その真ん中付近でほぼ間違いは無いだろうと思います。
トップミドルスピーカーを(天井2本)試した時も、ベストな位置はそうでした。
しかしながら、一般家庭の事情というものがあります。
下の図は天井(トップ)スピーカー4本の場合の推奨位置を、うちの部屋で試した視聴ポジション別に表したものです。
図中の番号1は従来の視聴位置、2は今回の見直しで決めた視聴位置、3は最初にテストしたITU-R配置に合致する視聴位置です。

見ての通り、視聴位置は部屋の中央に近いほど天井スピーカーの前後の配置間隔は広く取れるようになるのですが、反対に視聴位置が後方寄りですと、フロントハイトスピーカーの流用には無理が出てくるのがわかります。(範囲から外れてしまいます)
今回見直した、2の天井スピーカーの位置が前後等分でないのは、施工時の誤差です。前が遠い方なので良しとしました。
別の言い方で施工ミスとも言いますが。(笑)
さらに下の図は、2の今回設定した視聴位置における、天井スピーカーの設置範囲を上から見たものです。

推奨範囲自体の大きさは前後共に同じなのですが、実際の部屋に照らすと後方には壁があるために、トップリアスピーカーの設置位置は限られています。したがって今回も手を付けていません。
一方でトップフロントスピーカー側の設置範囲にはだいぶ余裕があります。
しかし、天井スピーカーを4本設置する場合には、視聴位置から等分配置が基本とされていますから、それを守ると、トップフロントスピーカーは図の位置となりました。
推奨範囲の中ですが、前後の天井スピーカーの間の距離は狭い方ギリギリと言って良いような位置ではあります。
これをあえて無視して、トップフロントスピーカーをもう少し前側に設置したらどうか?
・・しかし、ここまでの冒険は見送ります(笑)
ここまでを見ても、やはり今後、天井スピーカーを含むホームシアターのプランにおいて、部屋の中央近くに視聴位置を取ることがカギになるかと思います。
ついでに、この辺りをもう少し掘り下げましょう。
以下の図面は、天井スピーカーの位置を含めた3種類の配置パターンです。
フロントスピーカーを通る円と、天井スピーカーを通る円を書いてみました。
基本、視聴位置を中心とした同心円です。
従来の配置。

円そのものが全体に大きいです。対して天井スピーカーの円は小さいです。
視聴位置は、いま見ると後方に寄り過ぎの感があります。
今回、見直した配置。

フロントスピーカーの間隔を広げた分、天井スピーカーも10cmほど外に、前側には視聴位置と同様に20cm移設しています。
全体に円はやや小さくなって、内側と外側の円の大きさが近づきました。
しかし相対的に視聴位置が、まだ後ろ寄りな感はあります。
視聴位置を45cm前にした、ITU-R配置準拠の配置。

天井スピーカーの位置は想定ですが、推奨範囲の真ん中付近に位置しています。
円は全体にだいぶコンパクトになります。天井スピーカーの円との大きさも近いです。
サラウンドスピーカーの距離もフロントスピーカーのそれに近くなっています。
以上の3つの図面から、僕の言いたいイメージがお解りでしょうか?
円の大きさはサラウンド音場の広がりではありません。
これは密度と言うか、まとまりを表しています。
実際、上から順にサラウンドは良くなると思っています。
この円、スピーカーサークルとでも言いましょうか、それが部屋の大きさに対して大きすぎない事。
そして天井スピーカーは、「頭上」の意識では無く前後左右に広く・・。
視聴位置を部屋の中央に近くすべきという根拠は、上の要件を得るためです。
一方で画面のサイズを大きくするほど、難しくなるというのは頭に入れておく必要があります。
今回、ITU-R配置プラス、天井スピーカー配置の見直しが終わりました。
ただでさえハードルが高い天井スピーカーの設置ですが、ベースのITU-R配置については、それが暗黙の条件のごとく触れられません。
これがドルビーアトモスの導入で見落としている、天井スピーカー以外のハードルとも言えます。
果たして、みなさんのお宅ではどうでしょうか?
さて、この環境で、肝心のドルビーアトモスはどう変わって聴こえるのか?
アップミックスである汎用サラウンドモード「ドルビーサラウンド」についても、その印象が変わりました。
この配置でまた見直してから再評価すべきと考えていたところ、一昨日SC-LX88、78、58のファームウェア更新があるとの情報を知りました。
内容はドルビーアトモスの最新バージョン対応との事です。
早速PCにてダウンロード(USBにて更新のみ)してみましたら、天井スピーカーの仕事具合が変わっているようでした・・。
この続きはまた。
このアングル方式のお陰で、横方向の移動は容易ですが、トップフロントスピーカーは取付け自体をやり直しています。

(アホか。いやサラウンド馬鹿です)
画像のケーブル↓
ZONOTONE SP-330MEISTER/BL(ブルー・1M) スピーカーケーブル(1m単位で切り売り可能です)...