2015年08月14日

ITU-R配置の検討。 その2

ITU-R勧告によるスピーカー配置を実現すべく色々とやっています。

なぜなら、ドルビーアトモスの再生には、ITU-R勧告によるスピーカー配置がベストであり、これから外れた配置の場合にはどうやら、本来の姿を聴くことが出来ないと判ったからです。

では前回からの続きです。

スクリーンから3mであった視聴位置を2.8mと決めると、フロントスピーカーの角度は60°を切って54°となった訳ですが、その程度の角度差は許容範囲に入るか否か?

残念ながら60°の時のアトモスを聴いてしまうと、これで妥協は出来ないという感想です。
頭上から前方にかけて、包囲感と定位感が不足します。

これは単に2chでも感じることが出来る聴こえ方の違いの部分、それの差が出てきます。

150801-2.jpg・・ではどうするか。
ここから出来る事はフロントスピーカー自体を動かすしかありません。

以前の画像です。フロントスピーカーはスクリーンの両端ぎりぎりに寄せていました。

よって左右の壁との空間に余裕はありますから、外側に広げることにしました。

150801-3.jpgこれで従来の視聴位置から20cm前に移動したポジションで、フロントスピーカーの開き角度60°を確保しました。
実際この配置で聴くアトモスの印象は大分良くなりました。
左右の壁から出来るだけ離すため、スクリーンに寄せていたフロントスピーカーですが、結果ここまで離れました。

実はこの事が他に利点を産みました。

アトモスでなくても、人のセリフが画面の外から聞こえるというシーンがあります。
このセリフの主のいるべき場所と、スクリーンからやや離れたスピーカーの位置とが、ほぼシンクロする感覚を受けるケースがありました。
裏を替えせば、セリフの出る位置が画面に近すぎると、画面の外にいるはずの人物のセリフが、画面の端から聞こえて、想定される人物の位置とのずれを生じ、リアルでないのです。

150814-1.jpg
一方、サラウンドスピーカーの角度は前方から112°のままでです。
こちらも影響があるはずなので、出来る限り120°にするべく次の一手を考えています。


ホームシアターのフロントスピーカーの位置(開き角度)は、画面の大きさによってある程度決まって来るかと思います。
大きい画面ほどフロントスピーカー間は離れますが、視聴位置も遠くなります。

個人の好みと部屋の大きさによって、その視聴位置も決まって来ますが、特にプロジェクターで大画面を選択した場合には、視聴位置はどうしても部屋の後方になってしまうのではないでしょうか。

その場合にITU-R配置が採れるかどうかということです。

そもそも従来のサラウンド配置は、フロントスピーカーの開きは45°でも良しとしたり、サラウンドスピーカーに至っては真横から後方135°までを許容範囲として、家具配置との折り合いなどもあり、結構アバウトな部分がありました。

しかし今後、ホームシアターを構築するにあたり、オブジェクトベースサラウンドであるドルビーアトモスやDTS:Xが主流になると仮定すると(?ではありますが、そうでなくても)この基本配置は外さない方が良いと思います。

理由とすれば、スピーカーが正しい位置に在るのか、AVアンプ側ではそもそも把握出来ないということがあります。(ソニー機にはスピーカーリロケーションなる機能がありましたけれど、アトモスには手を出していませんね)

考えようですが、無闇な大画面の導入もどうかと思います。
画面サイズが小さい方が、スピーカー配置と視聴位置の設定の自由度が高いからです。

一方で4Kテレビや、4Kプロジェクター(まだとても高価ですが)の場合では、視聴位置を近くに採れるという考えも出来ます。
しかし視野に対して 画面の専有面積が大きすぎると、圧迫感を覚えるというデメリットがあります。


さて、ここまで天井スピーカーについて触れていませんでした。
当然この「位置」についてもこの後再考し、手を打ちました。

次回でそれを。


各社新型AVアンプの前倒しの発表を予想していましたが、意外に例年の通りなのかも知れません。
次世代「Ultra HD Blu-ray」の存在がハード、ソフト共に現在ボトルネックになっていますね。

新型も未だ7ch機で、天井2本仕様までの発表に留まっていますか・・

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この記事へのコメント
大画面スクリーンの近接視聴にはもう一つ問題があります。解像度には
静止画解像度と動画解像度があります。

視聴位置は2Kで画面の高さの3倍、4Kは1.5倍と言われていますが
これは静止画解像度で単純に反比例して考えた視聴距離です。

しかし映画はあくまで動画を見るものであり、動画解像度を考慮しないと
いけません。

PJは動画解像度が余り高くなく、眼前一面では動きの少ない画面は良いの
ですが、激しい動きの画面では超近接視聴では動画ブレを感じてクラクラ
してしまいます。

確かに2Kよりも4Kの方が近くで見られますが、動画解像度はそれほど
高くなっていないので、4Kでも画面の高さの2倍くらいの距離が適正な
視聴位置ではないかと思います。

静止画解像度で8Kなら、視聴距離が画面の高さの0.8倍という表現も過去に
見ましたが、動画解像度が変わらない限り8Kでも視聴位置は4Kとそれほど
変わらないと思います。

4Kや8Kならそれに比例して視聴位置が近くて良いというのは営業サイドの
売り込みの為の謳い文句だと思います。

Posted by ふえやっこだい at 2015年08月15日 11:28
なるほど、さすが映像には造詣が深くていらっしゃいますね。
Posted by shu at 2015年08月15日 11:39
100インチの高さが1.245m、4Kで適正距離がスクリーンの高さの2倍と計算すると
1.245mX2=2.49mになるので、shuさんの理想の視聴位置になると思います。

うちはJVCの疑似4Kですが、高さX2倍の距離では画素は全く感じられません。

また画の荒さと明るさが圧迫感を増強させるので、4Kで荒さがなくなり明るさを
抑えると同じ画面の大きさでも圧迫感も減るので近くで見られると思います。

うちはカーブドスクリーンと言う事と、明るさを控えめにしているので、高さの
約1.8倍で見ています。1.5倍では明らかに圧迫感と動画ブレで疲れます。

shuさんの理想の音場を作る最終地点は、4KPJの導入となるかもしれませんね。
Posted by ふえやっこだい at 2015年08月15日 17:15
 非アトモス環境9.1ch、デュアルセンターでサラウンド系が
天吊りのTHX配置です。
 可動式の椅子のため、位置は見ながらなんとなく合わせています。
 記事を見て気になり、視聴後に距離を測ったところ、
なんと通常視聴時のフロントの開きは60度でした。
人間は丁度良い位置に移動するんですね。
 ただし、3D作品を見るとついつい前に突き進んでしまうので、
3D時は60度以上の開きになっています。
Posted by AR at 2015年08月16日 20:09
4Kプロジェクター・・TVが売れない状況でプロジェクター市場はすっかり低迷。
動きとしては、一部の看板ハイエンドのみ。
当分購入対象にはなりそうに無いのが残念なところではあります。



2chでは三角形の頂点の交わる後ろというのもありですが、60°ちょうどというのは一度試しておくべきでした。

3Dでは画面が小さく感じますね。そういう意味で前寄りになるんですかね。

Posted by shu at 2015年08月16日 23:58
こんばんは!
思い切った事をされたんですね、、、
もう頭が下がります、、、m(__)m

後だしで恐縮ですが、前から視聴位置が
やや後ろだな、、と思ってました。

ただ他のスピーカーで補えるのかな?と想像してましたが、
今の方が良いとなると僕の想像も間違ってなかった!
なんて一人で満足してました(笑)

うちも音を優先してスクリーンを72インチにしてますが、
映像を優先したら90インチくらいまでは大きくできると思います。
ただスピーカーの感覚が広くなり過ぎる事が我慢できませんでした、、(^▽^;)

うちの部屋は変形がゆえに多少の我慢は必要と
諦め気味ですが、思い切って変えてみようかな・・
いつも刺激をありがとうございます!!(^^♪

Posted by take51 at 2015年08月17日 20:47
take51さん、こんばんは。

>思い切った事をされたんですね、、、

いえいえ、もっと早くに試すべきでした。
もっとも正統派5.1ch配置というもの自体、手を付けたのがほとんど初めてということなのですが。

>前から視聴位置がやや後ろだな、、と思ってました。

あちゃー、そうでしたか。それは言っていただいても良かったのかも知れません。(汗)
3mというのも変える気が無かったですし、これ以上画面を小さく出来なかったんですね。ズームがいっぱいなんです。

>いつも刺激をありがとうございます!!(^^♪

とんでもないです。
またよろしくお願いします。

Posted by shu at 2015年08月17日 22:06
私も2Kプロジェクターの時は、キクチのスクリーン100インチで視聴距離3mでした。
一般的な適正距離ですが、測ったわけでもなく、綺麗に見えるのがその距離でした。

左側後ろのラックをテレビに寄せて、左のサラウンドスピーカーをラックの後ろにし、
ドアの前になり出入りがしにくいですが、右側のサラウンドスピーカーも下げて
後方空間を大きく作っても効果があるような気がしますが、どうでしょう。
Posted by ふえやっこだい at 2015年08月20日 00:06
ふえやっこだいさん、こんにちは。

はい、それも検討しました。
しかし、ラック背後の壁にスピーカーの壁内配線の出口、右側には壁コンセントがありまして、ちょうど良い位置にスピーカーが収まりませんでした。

それとは別に、ラックと壁(後方側)との間に不自然な空間が在るのにお気づきでしょうか。
ここを詰めると119°までは行く計算なのです。これが次の手なんです。

Posted by shu at 2015年08月20日 12:38
ラックを後ろの壁にべったり詰めれば、サラウンドスピーカーを30cmほど
後ろに移動できそうですね。

30cmでも、前に20cm移動とあわせて空間的には3mX50cmX部屋の高さに
なりますから、従来と比べてかなり大きい音場空間が後ろにできますね。

これがfinal answerになったりして。
Posted by ふえやっこだい at 2015年08月21日 12:53
前に20cm移動とあわせて→視聴位置20cm前に移動とあわせて
Posted by ふえやっこだい at 2015年08月21日 12:56
ちょっと無理がある部分もありますが、ラックの絡みで半ば強引に調整をしましてですね。
ご存知のタオックラックがゆえのある方法で、あのスペースを詰めます。

30cmまでは行きませんが後方の空間、これを45cm前に出て体感しましたが、ここが広いと確かにサラウンドの聴こえ方が違いましたね。

もう記事にしなくても良いでしょうかね?(笑)


・・・ところでヤマハの3050は、シネマDSPとアトモスの掛けあわせが出来なかった様ですね。

これはヤマハファンと、購入候補にして期待をしていた人には残念なニュースだろうと思います。
1年見送ったらDTS:Xがおまけで付いてきて、それはそれで良かったのでしょうけど。

ふえやっこだいさん、どうされます?

Posted by shu at 2015年08月21日 20:35
>もう記事にしなくても良いでしょうかね?(笑)

いえ、記事よろしくお願い致します。他の方もそう思っておられると思います。

今のところ、13ch分のパワーアンプがありますので、ターゲットはAVプリアンプに
なります。

昨日から海外のヤマハのサイトで、CX-A5000後継のCX-A5100が紹介されています。
残念ながら、CX-A5100は、CX-A5000をATMOS、DTS:X、新HDMIに対応させただけの
ようです。シネマDSPとATMOSの掛け合わせもないようです。

シネマDSPに対して天井4本を使うドルビーサラウンドの性能も良いようなので、
音に厚みと力強さのあるAV8802か、広さと繊細な柔らかさのCX-A5100の選択に
なりそうです。


Posted by ふえやっこだい at 2015年08月21日 20:55
フラッグシップも掛け合わせ無しですか。

マランツなら天井スピーカーを「ハイト」にするか「トップ」にするかは、どちらも選べますね。
ヤマハの場合は「トップ」の選択は普通しませんね。
Posted by shu at 2015年08月22日 10:11
CX-A5100、アトモスとシネマDSP HD3の掛け合わせが
出来るようでした。申し訳ありませんでした。
Posted by ふえやっこだい at 2015年08月26日 13:46
ほう、出来るんですね・・。

フラッグシップのみ可能なんですか。
3050・・うーん微妙。



Posted by shu at 2015年08月26日 20:20
アトモスだけでなく、DTS:XまでシネマDSP・HD3と掛け合わせが出来るようで驚きです。

アトモスとの掛け合わせには相当に研究がなされたようで、AV watchには掛け合わせの
試聴レポートまで出ていました。

CX-A5000と3040の差は小さかったですが、CX-A5100と掛け合わせの出来ない3050との差は
大きく開きましたね。
Posted by ふえやっこだい at 2015年08月26日 21:13
はじめまして。
いつも楽しく拝見しています。

フロントの音場で悩まれていますね。
自分も色々と試行錯誤したことがあります。

参考までにですが、
サイドの位置を前方にという方法もありますよ。
http://kanaimaru.com/4ch_club/0f.htm

自分の場合は部屋の配置の関係で諦めましたが。。
スピーカーの配置と視聴位置で音場はかなり変わると思います。
いい配置が見つかるといいですね。
Posted by haru at 2015年08月29日 13:52
すみません、参考HPはこちらです。

http://kanaimaru.com/4ch_club/0120.htm
Posted by haru at 2015年08月29日 13:54
haruさん、はじめまして。

ご意見ありがとうございます。
かないまる氏の、その記事については存じておりました。

ご不在となったメーカーでは、AVアンプの開発が途切れているようで残念なことです。
特にアトモスをどう料理するのか、興味がありましたが・・。
Posted by shu at 2015年08月29日 14:16
haruさん、追記です。

この配置は7.1chのアトモス配置には有効に使えるかもですね。
後方の音源過多を解消できそうな。

今回は正攻法を追求しました。

またよろしくお願いします。

Posted by shu at 2015年08月29日 19:18
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